前半の不条理コメディっぽい部分は結構好きだった。
昔見た、町田康の同名小説が原作の『けものがれ、俺らの猿と』を思い出したので、この映画の前半部分の感じが好きだったら↑の映画も見てみても良いかもしれない(もちろんお金のかけ方とか映像の洗練されっぷりは圧倒的にこちらが上ではあるが)。
一方で困ったのが終盤部分で、映画というよりはほぼ自分語りじゃないのかこれは。
監督の、母親という存在へのトラウマとかその他色々なマイナス感情がくどいくらいに伝わってはくるのだが、それが余りにもストレートかつ生々しすぎて、そんな話を打ち明けられるほど私はあなたと仲良くないですよという気分になって少々げんなりしてしまった。
鑑賞後に読める解説によると、昔、脚本を読んだプロデューサーに「君は映画を作りたくないのか？」と止められたらしいが、１００％プロデューサーに同意したい。
…まあ前２作は面白かったし、ここで一叩きして気分的にもリフレッシュできたと思うので次走の巻き返しに期待したい(レース後談話)。
