YoshitakaBaba

aftersun/アフターサンのYoshitakaBabaのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.9
「aftersun」

まだ今年も後半残ってますが、現時点で今年1番の作品でした。
最近中々映画レビューが出来ず、なんなら他にレビューしないといけない映画は沢山あるんですが、、、、
それらの作品を通り越して先にこの作品をレビュー致します。

自分はこの映画好きで2週連続で鑑賞しました。
正直映画館で2回鑑賞するのは稀です。
もちろん配信されれば何度か観る映画はありますが、映画館となると別ですね。

今作はとても悲しい映画でした。
特にあまり心に余裕が無かったり、メンタル状態の良くない方はあまり鑑賞をオススメしません。
そしてこの映画は決して万人受けする映画ではありません。
映画好きな方々のそれぞれ意見をお聞きしましたが、自分みたいに絶賛している方もいればそうでない方もいらっしゃいました。
そんな作品です。
なので絶対に観てくださいって作品にはなっていません。

この作品は父親と娘のイスタンブール旅行を描いた作品です。
決して何か事件が起きる訳でもなく、何か沢山語ってくれる映画でもありません。
決してエモーショナルでも無いし、アートでもない。
自分の勝手な解釈ですが、これは監督シャーロットウェルズ監督の心を映像表現しているんだと解釈しました。
映像、演出、音楽、自分は全て好みでした。
ストーリーも2度楽しめる内容です。
1度目の鑑賞はソフィ目線。
2度目の鑑賞はお父さん目線。
それぞれ違う視点で鑑賞する事が出来ます。

特にお父さん目線で観ると何も語らない背中が余りにも辛くて何度も涙腺を刺激されました。
娘にとっての何でもない台詞や何でもない演出がお父さん凶器だったりします。
決してソフィが悪い訳でもなく、純粋無垢な部分であり、ソフィを演じたフランキーコリオちゃんが天才子役過ぎますね。
圧倒的な存在感と自然な演技に目が離せませんでした。
今後の活躍に期待です。

そしてもう1人の主演のカラムことお父さんも圧倒的にすごいです。
カラムは全く何も語りません。
主演ポールメスカルも圧倒的でした。
表情、息遣い、背中の見せ方、台詞も含めて全部の表現が良かった。
ポールメスカルは受賞はしませんでしが、アカデミー賞主演男優賞にノミネート。
正直取っても良かったレベルです。
とは言えまだ若いのでこれからに期待ですね。

この映画で避けては通れないのが音楽です。
きっとこの作品の年代は90年代です。
なので挿入歌は基本90年代です。
そしてこの映画の良いところは雰囲気での選曲をしてない所にあるかと思います。
そこがアートでない良い要素かなと思いました。
統一感はなく、あえて当時流行りの音楽を流している印象です。
なので最後のある曲が監督は選ぶか悩んだそうです。
あまりにもこの映画を表現してしまったと言うのはあるかと思います。
正直この流れで映画を観ていると予想外のチョイスに思えます。
その選択は正解かは感じ方は人それぞれかと思いますが、自分は圧倒的に良かったです。
この映画オリジナルのサントラも非常によく出来ていて、担当したオリバーコーツは最高の映画音楽を制作したと思います。ヨハンヨハンソン並みに気になりました。

本当にこの映画は自分にとっても特別な作品でした。
正直3回目もありかと思っています。

そして全然関係ないかも知れませんが、先日りゅうちぇるが亡くなってしまいました。
特に好きとか思い入れのあるタレントさんでもないんですが、どこかこの映画と重なってしまって非常な悲しくなりました。
自分の中ではこの映画を鑑賞したのではないとかと思ってしまいました。
この映画は良い映画って表現は正しいかは正直分かりませんが、素晴らしい映画です。
監督シャーロットウェルズ
主演ポールメスカル
フランキーコリオ
音楽オリバーコーツ
この4人の天才が作った素晴らしい映画なのは間違いありません。
今後もこの4人の活躍が楽しみです。
YoshitakaBaba

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