父と娘 数日間のバケーション
主人公ソフィが子供の頃に父カラムと行ったバカンスのビデオを観ながら過去を振り返っている設定の中でノスタルジックな光景が広がっていく。単純に子供目線の懐かしい家族旅行を追体験するような内容だと思ってたら意外と重苦しい。
ソフィは父との再会に喜びリゾート施設や観光地を満喫してて父も娘を楽しませようと張り切っている。だけどカラムがふと1人になった時に彼が隠していた弱みを観客側にだけ漏らすシーンから映画の見方が徐々に変わる。
理想の父親像を演じようとする努力や個人的に抱える苦悩、ハッキリとは描かれてないけど親という存在を1人の人間として意識させられる。エモさを求めて観ると現実に引き戻されちゃうテーマだった。
解説見たらまた違うかもしれないけど、何度か挟まれるレイヴのシーンはソフィが自分の頭の中で父に寄り添うようなものだったのかなって思える。
テーマと構成は良かったけど、綺麗な映像を撮っているはずなのに全体的にパーっと雰囲気が伝わってこない感じが少し退屈であまり映画にのめり込めなかった。なんかこう全体を映してくれない感じにムズムズさせられる。でも終盤に入ってからソフィの新たな視点がハッキリと出てきたことで2回目以降の鑑賞はまた違った感覚で楽しめるような気がする。
スコティッシュ訛り/トルコ/親=完璧ではないと気づく瞬間/ ホラーに近い不穏な間/ベランダの手すりに立つカラム/tender/ losing my religion/ under pressure
