成川ジロー

神探大戦の成川ジローのレビュー・感想・評価

神探大戦(2022年製作の映画)
4.5
期待はかなりしていたが、その期待の斜め上を遥か高く飛び越えて面白過ぎてやばかった。前作(と言っていいのかどうか分からないけど、)『MAD探偵 7人の容疑者』と同じ方向性の映画かと思いきや全然違って異常なほどパワフルでド派手で、息付く暇のないテンポとスピードで突き進む怪作だった。『ショックウェーブ2』レベルの勢いがあるアクション。ワイ・カーファイ監督、何があった?笑
主人公のヤバさがもう本当に一般人には理解できない領域に達していて、ラウ・チンワンが演技力120%出し切ってて、もう本当に最高だった。滅茶苦茶やばい。
主人公以外も皆キャラ立ってて、特に敵がさ、稀に見るレベルの超凶悪キャラで、凄まじかった。自分の欲のために全てを利用して命すら弄ぶ。まさに吐き気を催す邪悪。
とても香港らしいところもちゃんとある映画で、ヒロイン(?)周りと言うか、妊婦が頑張り過ぎててやばい。『モンタナの目撃者』に匹敵するレベルで妊婦が頑張ってる。ハラハラドキドキと言うかヒヤヒヤした。落下の時皆でクッション代わりになるのも本当に香港っぽかったw

見た人皆驚くとは思うんだけど全体的にアクションのスケールが想像の倍はデカくて 、ちょっと前に昔の香港映画見て「昔の香港の治安やべえな」って思ってたんだけど、「やっぱり現代も香港の治安やべー!」って嬉しく(?)なるし、主人公の言動はヤバいけど優秀過ぎて周りの警官が従っちゃうの面白かったし、敵が周到過ぎてヒロインが主人公と敵どっちを信じるのかも最後までハラハラしたし、何度も言うけど敵ボスの凶悪さがガチ。突き抜けが凄い。最後までほんと面白かった。

最後のシーンも「はいはいおじいちゃん。わかったから向こう行こうね~」って感じに笑ったけど「パニッシャー問題」みたいな感じで、劇中の様な能力を持つともう超人で、彼の存在が認められたと言うことは彼はもうミスや勘違いの許されない存在だから、あれくらい人間を辞めて妥協無く清貧で職務に尽くさないと本来駄目だと言うのは完全同意。
一本筋の通った神の道具として生きていくしか無くて、俗人っぽい安息はもう無いんだよね。あの人が公僕で無く、私利私欲に溺れてしまえばすぐさま敵の様に恐ろしい存在成り果ててしまう。

変な映画である事は確かだけど、本当に好きな映画でした。
人に勧められるか凄い悩むタイプの映画だけど、是非見て欲しい気持ちはある。
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