成川ジロー

極限境界線 救出までの18日間の成川ジローのレビュー・感想・評価

3.5
原題は『交渉』なのね。絶対に『交渉』の方が良いと思うんだけどな。
ある理由で話にノれるまで凄い時間がかかったけど、タイトルにもなっているクライマックスの「交渉」のシーンは流石過ぎた。ファン・ジョンミンの演技力がやばい。目が離せなくなる。緊張感も半端なくて、終えてからのヒョンビンとのやり取りも本当に「お疲れ様」と笑顔で拍手送りたくなった。
この映画にノれるまで時間がかかった理由は、色んな人が言ってるし調べたらやっぱり当時も問題になってたけど、宗教問題で争いを繰り返してる国の情勢を知ってて自分の宗教を宣教しに行くとか頭おかしいとしか思えず理解出来ず、身勝手で自分たちに酔ってる行動としか思えないから。しかも劇中でも「行く前に遺書を書いていた」と報道されてるシーンがあって、尚更この人たちを救うのに全力をかけなきゃならない主人公たちに感情移入がしづらく、身勝手な人達のケツを拭かされるのが不憫に見えて仕方なかった。
人質の女性は「帰りたい」って泣いて、韓国の旦那さんと娘は「無事戻ってきてくれ」って泣いてるんだけど、でも遺書書くくらいの強い意志でその旦那と娘を決別する覚悟(人質の女性の中では宣教>>>家族ってことでしょ)で身勝手なことしに来たんだよなってあんまり同情もできなくて、ファン・ジョンミンもヒョンビンも外交官チームの皆もすごい良い演技をしているのに、どうしてもこの作品の根本の部分のそれが気になってしまい、ノれるまで時間がかかってしまった。
テロリストに莫大なお金払ってるので単純に大多数を交渉で救出できてハッピーエンドとも言えないしね。救おうとしている主人公たちは本当に善人だから、ほんとの本当にに「お疲れ様」としか言えないですね。
成川ジロー

成川ジロー