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新婚道中記のmichiのネタバレレビュー・内容・結末

新婚道中記(1936年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

お互いに疑心暗鬼になって離婚することになった夫婦がよりを戻すまでの90日を描いた、思いのほか楽しい作品だった!スクリューボールコメディーはただ疲れるだけの時もあるけれど、これはそんなことなかった。夫婦は不自由ない生活はしているけれど、(スクリューボールの典型である)超大富豪というわけでもなく、とりあえず新しい恋に走ってみたり、それを見て嫉妬したりと、今でもやってることは変わらない感じがして、親しみを持って観ることができた。

ジュリーとルーシー夫妻が飼っていたMr.Smithと呼ばれる犬が本当にかわいいし名演技を見せてくれる。あんな愛らしい犬がいたら、そりゃ結婚の理由にもなるし、離婚でも揉めるわ。彼の名前と、本作のストーリーからは、離婚ゴタゴタコメディのヒッチコックの「スミス夫妻」を思い出した。

離婚すると決まってからも、表面ではお互いに新しい人と別々の道に進もうとしているものの、未練たらたら。いくら意地を張って新恋人との結婚へ向かおうとしても、ジェリーとルーシーは明らかにお似合いのカップル。最後は元鞘に戻るストーリーなのはわかっているけれど、そこまでの駆け引きで観ている方は結構焦らされます。

でも、後半のルーシーが…暴走しすぎ。お互いをディスりながらも立ててみたり、その絶妙なやりとりが良かったのに、ジェリーの新婚約者の家に乗り込んだジェリーはちょっとお下品で残念。
終わり方は秀逸!『或る夜の出来事』のジェリコ壁が崩れたのみたいだった。

邦題付けた人、この映画観てないんじゃないか疑惑…。
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