michi

西部魂のmichiのレビュー・感想・評価

西部魂(1941年製作の映画)
-
開拓時代の大事なフェーズ「電信網の拡大」がテーマにあって、東西がしっかりつながろうとする時代の、典型的な「西部劇」。
アウトロー、銃撃戦、インディアンなど、典型的な西部劇要素もあるし、何より開拓ものはだんだん国が成長していく様が本当にわくわくするから大好き。
フリッツ・ラング監督と言えば、私は『メトロポリス』とか『M』のイメージが強かったけれど、こんないかにもアメリカっぽい作品も撮っていたんですね。

訳アリ逃亡中のショーは、怪我をして倒れているウェスタンユニオン社のクレイトンを助けた縁で、電信会社に雇われる。
インテリチャラ男のブレイクも到着。ショーとブレイクがクレイトンの妹をめぐって静かに争い、ショーは自分の身分をショーはロバート・ヤングが最初にクレジットされているけれど、どう見てもランドルフ・スコットのショーが主役じゃない?
いかにも往年の西部劇俳優って感じの渋カッコよさがたまりませんでした。

「電信で俺の取った毛皮を送れるのか?」なんて言う西部のハンターがいる時代から、電線がどんどん引かれて東西が一つになっていく一方で、インディアンの土地を奪ったり(やり方も描き方も昔の西部劇…)、悪党からとんでもない妨害を受けたり、いろんなことが起こり、切ないラストを迎えます。

終始コメディーリリーフに徹する料理人がツボです。料理の腕は確かながら、愛すべきヘッポコキャラ。
こっそり自分用に残していた料理をずっこけてひっくり返すとか、どこか哀愁漂うギャグの連続です。
あの人だけずっと観察していたいくらい好き。
michi

michi