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教授と美女のmichiのレビュー・感想・評価

教授と美女(1941年製作の映画)
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自分の専門にどっぷりハマっているクセ強教授8人が辞典を編纂中。
まずこのシチュエーションがおもしろい。資金提供している財団にははやく終わらせるように急かされ、でも世の中が変わるにつれて書くべき内容も変わり、なかなか作業が進まない模様。

この中では若手二枚目の言語学者のポッツ教授が自らが馴染みないスラングの研究に燃え、潜入したナイトクラブの訳あり歌手オシェイと研究を通して距離が縮まっていくのですが、教授爺さんたちの奮闘で結末に漕ぎ着けるまでの流れもなかなか笑える。ドタバタしながら明るい作品でした。
中でも、ハイテンションでブギを歌うバーバラ・スタンウィックには惹かれます。ノワール作品での影ある役より良いなーと思いました。
バックのバンドもウキウキの雰囲気だし、ハワード・ホークス作品の音楽シーンって、いつも印象に残るものばかりですね。
後半、老教授たちのどこか哀愁漂よう合唱も見どころ。

二枚目大スターとして確固たる地位を築いていたゲイリー・クーパーが、超奥手で真面目な教授を演じているのには気持ち良い違和感があり、しかもショーガールと結構大胆に距離を縮もちゃうもんだからドキドキでした。
190cmもある教授に、そこいらに転がる本に上がって”ヤムヤム”しちゃうところは、見ちゃいけないものを見てる気分。なかなかうらやまけしからん!

白雪姫に出てくるこびとたちを彷彿とさせるような、それぞれ研究熱心な教授たちかわいい。
原題”Ball of Fire”は「非常に精力的で疲れを知らない人」を意味するようですが、オシェイ嬢を含めてみんなそれぞれ自分の世界を突き進む、どこかちょっとずれた感じが楽しい。
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