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群衆のmichiのレビュー・感想・評価

群衆(1928年製作の映画)
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一介の市民、ジョン・シムズくんの半生。
生まれた瞬間に始まり、大事に育てられ、父親が亡くなり、夢を持って都会で独り立ち。デートして結婚して子供が産まれて…とよくある日々だけれど、幸せ絶頂の瞬間も絶望的な悲しい出来事もあって波瀾万丈な人生です。
自分の可能性を信じて、群衆の一部になんてなりたくないと足掻くも、それは難しいこと。
同時に、群衆の中の一人一人に大切なストーリーに溢れた人生があることに気付かされます。
なかなか思い通りにはいかないし、どうしようもなく厳しい局面も何度もあるけれど、やっぱり人生捨てたもんじゃないな、と感じました。

ラストシーンは、みんなの笑い声が聞こえてきそうな迫力。
群衆の一人でもいいじゃない、と明るく開き直っちゃうような終わりでした。

Wikipedia情報。
とても美しい奥さん役は、当時のキング・ヴィダー監督の奥様だったそうです。
いつも言ってますが、サイレント期には表情豊かできれいな女優さんがたくさん活躍していたんですね。
主役のジョンの俳優はこれで成功した後に、アルコールで転落人生を送り、若くして悲しい謎の死を遂げたと知りショックでした。
大ヒット作で、こんなに後世にも様々な影響を与えた作品の主演でもそんなことがあるんですね。ヴィダー監督の計らいで復活のチャンスもあったのに、うまくいかなかったのが本当に残念。
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