フクロウってそういうことかー！
中盤でその理由がわかる。
そしてその設定が生かされた演出と映像表現。
史実をうまく利用した、緊張感たっぷりなサスペンススリラー。
グロテスクに宮廷の権力争いが描かれる一方で、盲目の鍼医ギョンスの優しさが滲み出るあったかいシーンやコメディリリーフもバランスよく描かれて、緩急のつけかたがうまい。
コメディパートを担当する、主人公の先輩マン・シクがずっと笑わせてくれて、とにかくかわいい。本当に悪意がなくいい人で、登場した時の安心感たるや。
この役者さんコメディ演技がすごくうまい！
主人公ギョンスも、複雑な内面のキャラクターで良かった。
初めは弱者として生き抜くために、悪事を見て見ぬふりをすることも必要だという考えで煮え切らない態度。まあ、それもしょうがないと思う。
しかし、あまりの権力者達の下衆さに、最後は自分が闘うしかないんだと吹っ切れていく。
ギョンスは鍼医として不思議な才能はあるものの超人ではなく、少し頼りないからこそ、緊迫感にリアリティがあった。
胸糞な展開が続きやきもきするが、ラストはちゃんとカタルシスがあり気持ちがいい。
主人公を演じる俳優さんのビジュアルも役にはまってるし、うまかった。
