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猿の惑星/キングダムのようのレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
4.0
鑑賞前の情報としては、どうやらシーザー三部作とつながりがあるらしいぐらい。
公式見ても、そこはハッキリさせてないというか、あんまりそこを売りにしてる感じでもない。
自分にとってはシーザー三部作が最近になって全部観たせいもあるけど、けっこう好感持っていたので、もっとその続編的なことは謳ってもいいのにとは思った。
鑑賞後はさらにそう思った。
まあ、時代がシーザー三部作からだいぶ後の話ではあるからなあ。


これまでのようなエイプと人間との対立構造を含むとはいえ、人間側から見て「猿こええ」って要素はほとんどない。
むしろエイプたちの中での勢力争いがメイン。王国支配勢力と、小さなコミュニティとの対立構造。

それもあって、映画『アポカリプト』的な話になってる。

そのうえで、敵側のボスのキャラクターは新鮮味はないけど、とても理にかなっている感じ。
かつての主人公であり伝説のシーザー。そこを都合よく利用しているというのは、なるほど腑に落ちる。
手っ取り早くリーダーとして支配するなら、かつての偉人を持ち出してくるのはありうるなあと。
加えて、極端に横暴ではなく、懐柔をしようとしている感じではありつつも、実質支配的なのは、ある意味イマドキかもね。


敵側も、人間側も欲しいのは〈かつての知恵〉。
だからこそ、知能の高さを発揮した主人公をどちらも欲しがるのも自然な流れ。

それもあって、アクション多めの今作でも、勝敗を決めるのは知恵。
それプラス、異種の仲間。
腕力でも武器の強さでもないのはとても好感。
かつてのシーザーの掟からしてもそのほうが違和感ない。


今作でいいところでもあるし、ちょっとだけモヤるのは、ノヴァ。

ちなみに、ノヴァという名前は前作でも出てきたし、1作目のヒロインの名前。それをまた出してることでつながりをもたせてるんだろうね。

彼女をある種の人間代表が如く立たせてあるのは好感。
欲しいもののために、打算があるし、武器も使う。
もちろん彼女は主人公を助けることを一度だけするし、悪い人間では当然ない。
ただ、それだけになんか聖書のイヴ的に原罪を彼女一人に背負わせてる感があって、そこはちょっとね。なんかイマドキじゃないというかね。
まあ、今後どうなるかにもよるかな。いろんな可能性あるもんなあ。


スター・ウォーズのシリーズのように、「何作目と何作目の間」をちょっとずつ埋めていく感じに白む感じがないわけではないのだけど、まあ楽しいは楽しいのでね。
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