悪魔憑きモノの、ホラーというよりエンタメ作品。
シスターとかに戯けたりして、冗談が大好きで、ウイスキー大好きなエクソシスト。
ちょっとだけ異端的な要素もある主人公と、ごく普通の人に近い若者。いわゆるホームズとワトソン型。
すごい王道のスタイル。
悪魔憑き要素も、けっこうベタな見せ方。
悪魔に取り憑かれたら、やっぱボキボキいったり、四つん這いで動いたりするもんなのかなあ。
三宅隆太さんが言ってたことで、怖くない場面でも怖い劇伴が流れてる件、自分はあんまり気付けなかった。
家で観たせいかな。
ただ、三宅さんが言ってたように、怖い場面と冗談を言う場面との緩急はもっとあったほうがいいとは思った。
自分はもう少しあの家族に感情移入させてほしい気もした。
家族の死によって失語症になってる設定はよかったのだけど、お母さんとお姉ちゃんのほうはどう受け止めているのかはあんまり見えてこない。
その過去があるからお母さんとギスギスしてんのか、思春期特有のイライラなのか、どっちつかず。
あと、あの家族を最後にああしたままってのも、なんかもったいない。もうちょい大団円的な描写があってもいいかと。
終盤、主人公がああなっちゃう展開にはドキドキ。
「まあ、そうやって解決するよね」って解決の仕方ではあるのだけど、そこはナイス。
主人公の罪のもう片方の、戦争絡みのことについては、今の感覚からすると「それは罪なの？」って思っちゃう。
そっちじゃないほうの、少女絡みの罪のほうがメインになってるから、そのバランスはよかった。
キャストの演技もよかったし、美術とかもちゃんとしてる。
つまらないってことはない作品。
