よう

暗殺の森のようのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
3.5
自分にとっておそらく初ベルトリッチ。
かと思ったら、『ドリーマーズ』を観てた。エヴァ・グリーンの美しさだけが強烈に印象に残ってる。

第二次世界大戦期のイタリア・ファシスト男を主人公にした作品。


ファシストつっても、この主人公、主義思想がない奴にしか見えない。
「普通の生活がしたい」という欲はあっるのだけど、結局のところ虚無なんよなあ。
少年期のトラウマ故に秘密警察になるのはわかるのだけどね。
終盤の主人公の行動、「なんだこいつ」ってなる。ポスターアートの場面、まさかだったわあ。
ファシズムを突き放し、それ以上に主人公を突き放してる作品。


序盤から、なんかかっこいいショットが連続する。
イタリア、フランスの街並みとか家の中とか、いちいち絵になる。
その上、構図のかっこよさも。

とてつもなく大量の落ち葉が風で舞うシーン、すご。

真っ白な精神病院も、あんな場所が実際にあるのかって疑うレベル。

クライマックスの森、木々の間に木漏れ日と靄。不穏感漂う中に現れる男たち。
かっこよすぎ。

アンナのファションとモデル的なポージングは、こちらが自慢されたいフランスのまんま。


哲学的な台詞がたまにあって難しい。
そのくせ、よくわからないユーモア?描写もあって、「なんなの?」とはなる。
お母さんと愛人の話とか「要るのかなあ」とは思う。
よう

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