アレックス・ガーランド作品のなかで怪作かと。
サブタイトルどおり、同じ顔の男たちが出てくる出てくる。しかも、しれっと。
夫以外は男性登場人物が全員同じ顔について、主人公にとってはそう見えてるのかな?と思いながら観てたけど、そういうわけでもないのかなあ。
少なくとも「男はみんな同じ」ということを言いたいがためのこの作りなんだろうなあと思うのだけど、終盤の展開でよくわからなくなった。
あのマトリョーシカ展開は、「結局、この男性性ってのはずっと続いちゃう」ってこと?
今まで見たことない不気味なくだりで、画的には面白かったのだけどね。
体調悪い中で観たからなのか、解釈が難しい。
繰り返し出てくる石像の意味もよくわからなかった。
リンゴはアダムとイヴなんだろうなとか、綿毛は当然アレのメタファーなんだろうなとか思うけど、とはいえ「で?」ってなる。
キリスト教的価値観への皮肉もあんのかなあ。
まあ夫については、愛って堂々と求めるものなのかね?っていうのは思う。
あの夫婦喧嘩シーンも抽象的すぎる気がする。
同じ顔の登場人物が複数出てくる奇妙さだけでなく、ホラー的な見せ方もあって作品として楽しんだ。
ただ、あの石像とか、森のショットとか、けっこうしつこく感じた。
終盤マトリョーシカもしつこいっちゃしつこい。ここのしつこさはまだわかるのだけどね。あの繰り返しと、主人公がうんざり冷めていく感じはいいかと思う。
ジェシー・バックリー、『ウーマントーキング』でもいい存在感で、今作もよかった。
今作だとポスターアートにあるピンクのワンピースを着てる。寓話的な作品だからあえて童話の主人公的な格好をさせたってことなのかな。