たま

それでも私は生きていくのたまのレビュー・感想・評価

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)
3.0
レア・セドゥがとてもナチュラル。

色気を排除し、感情も抑え、シングルマザーのサンドラは、子育てと仕事と父の介護と、ただただ忙しい日々を、淡々とこなすよう生きている。

希望の見えない日々の中で、偶然再会した、旧友のクレマンに恋心を抱く。
サンドラの表情が、突然花が咲いたように輝く。

クレマンには妻子がいる、それでも気持ちを抑えきれないサンドラ。

真面目な(?)私には、自分の幸せのために誰かを不幸にすると思うと、気持ちも萎えるのだか、そこはフランス人の感覚は違うのだろうか。

煮え切らない(よく言えば葛藤する)クレマンにも感情移入が難しい。

父の本を捨てることが出来ないサンドラ。病に侵され、記憶が薄れていく父よりも父を感じられるからだとか。
なんだかとても切ない。

記憶と視力を失っていく父と、先の見えない恋の中で、レア・セドゥは繊細で豊かな感情を見せる。

サンドラと娘とクレマンの3人のショットは、まるで本当の家族のようで、とても幸せそう。
それはハッピーエンドってことかな。
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