たま

私のプリンス・エドワードのたまのレビュー・感想・評価

私のプリンス・エドワード(2019年製作の映画)
4.0
アラサー女性の結婚と偽装結婚を描いた物語。

プリンス・エドワードは香港のある地区の名前、そして主人公フォンの同棲相手の恋人の名前もエドワード。

若気の至りで、かつて微々たるお金目当てに、偽装結婚をしたフォン。離婚手続きをしながら、エドワードとの新たな結婚の準備を進める中で起こる、数々のトラブル。

結婚って、一体なんだろう…と考えさせられる映画。

結婚とは自由を奪うものなの?
本当に好きでもない人と結婚するのも、ある意味偽装結婚と言えるのでは…

昭和生まれの女性にはかなり響く話だと思う。(男性にはきっと分からないだろう)

主人公フォンの同棲相手のエドワードの、身勝手さ粗雑さに見ていてイライラが募る。
いい加減母親の言いなりになるのはやめろ…
愛情と束縛は別なんだよ…

あまりの理不尽さに何度も泣きそうになった。(特に亀のエピーソードには)
こんなモラハラが今の香港でも有り得る話なのね。

フォンは特別に夢や目標や特出した才能がある訳でもない、ごくごく平凡な女性。長く付き合っている恋人との結婚を考えるのも自然なこと。
だから違う角度で物事を見ることが出来たのは、結果として良かったのかも。

また、香港と大陸の距離感、考え方、法律などの違いも見て取れる。

ただ、香港の民主化を求める大規模デモが起こった2019年にこの映画が制作されていて、今ではすっかり自由を奪われてしまった香港。
そういう意味ではとても貴重な映画なのかも。
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