【一言で言うと】
「死で“希望”は救えぬ」
[あらすじ]
舞台は戦後の日本。戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り「無（ゼロ）」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。ゴジラはその圧倒的な力で日本を「負（マイナス）」へと叩き落とす。戦争を生き延びた名もなき人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく．．．。
想像以上に心揺さぶる秀作。山崎貴監督の作品は個人的な好みの薄さからあまり食指が動かない性分でしたが、今作に限ってはマジで観て良かったと心の底から思えた。ゴジラをそこまで詳しく知らない自分でも感動と鳥肌の連続だったし、彼のフィルモグラフィの中ではALWAYSシリーズの次に好きな作品かもしれない。
今まで未レビューかつ無関心ながらも彼の作品を何作かは観てはいて、その都度VFXの凄さよりも脚本のクオリティの低さが目立ってしまうなぁ…という消化不良に苛まれ続けた経験があるので今作もそこまで期待はしてなかったのですが、とにかく自分でもビックリするくらいのめり込んで観てましたし、何よりもVFXとゴジラという相性の良さが今作を秀作たらしめる決定打になったと思う。それくらいエゲツない迫力に気圧されましたし、IMAXで観るべき要素の多さというのもかなりデカかったですね🤔
それになんと言っても演技然りキャスト陣のクオリティも想像以上に高くて普通に鳥肌モノでしたし、“神童”神木隆之介と言われた存在感は今もなお健在というのが確信できるくらい凄まじい演技力でただただビビり散らかした笑。特に中盤の“慟哭”なんかもう凄すぎて言葉にならんよあんなの(･･;)．．．
それからストーリーも至極シンプルで、若干人間ドラマのありきたり感に辟易としつつも、“戦後”という時代背景と重なってゴジラが襲来するという絶望に次ぐ絶望展開でメチャクチャゾクゾクしましたし、何よりも銀座襲撃のシーンはVFXのクオリティも相まってより“黙示録”的な絶望を味わえるのでまぁ観ていて茫然自失感がハンパなかったですね笑。マジで。
そんななす術もない絶望からどう“希望”を掴み取るのか…戦争により肉体的にも精神的にも“崩壊”を迎えた大人たちがゴジラに反撃の狼煙を上げる後半はまさに必見ですし、まさか邦画であんなハリウッド級の迫力を味わえるとは思わなかったです(ﾟoﾟ;;．．．
とにかくゴジラそのものの存在は日本にとっての“終焉”なのか、それとも“団結”なのか、スペクタクルな迫力はもちろんのこと、戦争における“自己犠牲”への批判も盛り込んだ反戦のメッセージ性も響く一本でした。
観る前はどこか粗でも探してやろうか…という自分でも嫌になるくらい斜に構えた意地汚さを企んでいましたが笑、正直それを考える暇さえ無いほど迫力がハンパなかったですし、もはや“凄い”という語彙力しか湧き出ない程圧倒された。
ありきたりな人間ドラマと言ってはいたが後半のゴジラに対して対策を練り無謀だと分かってても実行に移す男たちの勇気や気概には胸熱でしたし、その際にかかるお馴染みの“アレ”がマジで絶妙なタイミング過ぎて鳥肌でしたね．．．ある意味邦画でここまで時間経過を感じさせずに楽しめた映画は久々かもしれません😌．．．
