割りと公開されてから早めに鑑賞したのに、今や海外評価が入ってくる時期になってしまった。
シン・ゴジラやハリウッド版との比較評が多いのだが、時代設定も異なるしアプローチも違う。ましてやハリウッド版については、ゴジラじゃなくても・・という感じがするのでもう好みの問題。
このゴジラは、怖さという意味では初代に近い。ゴジラの怖さを徹底的に表現した。シン・ゴジラはどちらかというと日本政府とゴジラが対決し、どの様に倒すかというパニック映画的であったが、この映画は個人主体で話が進む。
NHKテレビ小説の二人が継続で主役になっていることもあり、冒頭シーンを過ぎると、ゴジラ映画だという事を忘れる。ストーリー中盤人間ドラマが多いが、人間ドラマが良かったという海外の評価が高い点には驚いた。なんなら日本人評価の方が、もっとゴジラを出せ感が強い!?
ゴジラの見せ方は新しく、泳いで迫ってくるゴジラや、放射熱線を吐いた時の恐怖感の演出は凄いと思った。後で友人が轟音上映で見たゴジラの咆哮は凄かったと言っていたが、個人的にはそれぐらいのボリュームで体感したかった。
監督は邦画ではヒットメーカーでVFXには定評がある山崎貴監督。まぁセリフのくささは”スクールウォーズ”並やなーと思いながら、これはどう英訳されたんだろうかと。
ただ時代背景もあって、そこまでは気にならなかった。もしシン・ゴジラであれば、鼻血が出たかもしれないが・・。
アメリカでは、制作費の差が作品の差ではないことを随分言われていたが、確かに日本もうちょっと頑張れよ感は全くなかった。VFXは白組が担当しており、ハリウッド版と比較しても遜色ない出来であったように思う。冒頭の泳ぐゴジラや街中で暴れて咆哮シーンは食いいる様に見入ってしまった。
人間ドラマが中心とはいえ、ゴジラの見せ場は多くは無いものの強烈で、わかりやすいストーリー、熱い人間ドラマ。
本国でマーベルやDC、ディズニーなどアメリカの代表的な映画が飽きられてきた中で、この映画は何の予備知識なしで見られ、しかも低予算で作られた事に驚きと、アメリカ・イギリスで評価が高いのは嬉しい。アメリカは海外映画を見る機会が少ない様なので、邦画がもっと輸出され、国内の撮影環境も良くなればいいのにと思う。
