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沈黙の艦隊のkazuuのレビュー・感想・評価

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)
3.6
潜水艦をテーマにした映画といえば、古くはUボートやK-19など、最近ではミッションインポッシブル(テーマではないが…)があるが、個人的に熱かったのは「レッドオクトーバーを追え」
こちらも軍事小説が多いトム・クランシー原作の映画。ジャック・ライアンがまだハリソン・フォードに変わる前の映画ではあるが、この映画で潜水艦の可能性と能力を見せつけられ、興奮した記憶がある。

今回の映画も軍事モノが多い、かわぐちかいじ氏原作のマンガの映画化。
日本初の原子力潜水艦が独立国を宣言し、潜水艦一隻が世界を敵に回すと言うとんでもない設定だが、背景には戦争や核兵器に対しての考え方があり、日本隣国が核兵器開発・増備に注力しているこの時代、90年代のマンガがベースとはいえ、考え方が全く陳腐化していないところがある意味恐ろしい。
私もかわぐち氏の漫画は好きで、ジパングや空母いぶきなどもあるが、沈黙の艦隊はやはり代表作であり面白く、海江田の作戦と考え方が面白く全巻購入読破。

作品の大ファンである私がこの映画を見るにあたり心配点と言えば、マンガは32巻あり2時間で収まるわけない…
またマンガ自体は80年代後半と言う時代背景があるため、まだソ連が登場するが時代の変化に合わせどうアレンジされているか。

以下、少しネタバレあり。





想像通り2時間では収まらなかった。シリーズ化するのかどうかはわからないが、ヒットしたら、二作目があるのかもしれない。基本ストーリーは変えていないが、ソ連が出なかったり、マスコミが今風の映画風に絡んでくる、総理大臣が頼りない感じに変更、等のアレンジは加えられている。
海江田もマンガはあそこまでクールな感じはないが、映画ではかなりクールに描かれている。
それに水川あさみさんや夏川結衣さんなど女性が活躍する場面が多いが、原作では女性はほぼ登場しない。汗臭いオッサンばかり。これも映画向けにアレンジされた点。

当初大沢たかお氏に海江田のイメージは一致していなかったが、あの体格と冷徹な感じは、また原作と違う海江田が表現されていた。さすが大沢氏、王騎には全く見えなかった…
全体的にマンガイメージと異なるキャラが多い。別物としてみれば納得もできるのだが…

VFXは及第点。潜水艦の実写映像が多かった点がいい。黒光りした船体が海の上を浮いているのは、軍艦に見られない怖さがある。

この映画はマンガで言うと、2巻程度の進み具合。32巻全て映画化するのかどうか(キングダムの時も思ったが…)、AmazonPrimeで続編が作られる様だけど、先は長いぞ・・・
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