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ゴジラ-1.0のギルドのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.0
【ゴジラと現代の目線でリノベーションした日本の特攻精神】
■あらすじ
出兵していた敷島浩一は日本へ帰還するが、東京は焼け野原と化し、両親は亡くなっていた。

人々が日々を懸命に生き抜いていく中、浩一は単身東京で暮らす大石典子に出会う。しかし、これから国を立て直そうとする人々を脅かすように、謎の巨大怪獣が現れて……

■みどころ
面白かった!モノクロ版で鑑賞したけど、これがTIFFエンディング作品なのも頷けるほど感動的な作品でした。

ゴジラの怖さ・絶望感とかシン・ゴジラみたいな面白さもあるけど、ゴジラの怖さと怖さで逃げた罪悪感を重ね合わせた話が良かった。

というか主人公の序盤がプライベート・ライアンのアパムに似ているが、アパムと違って日本の神風特別攻撃隊…もっと言えば特攻精神的なテーマと上手く向き合った現代的な作品なのが意外。

知略でゴジラに立ち向かう姿はそれこそシン・ゴジラ的なものを感じるけど、シン・ゴジラと違うのは当時の歴史の思想・美徳を現代の目線で解体しているところで面白かった。

プライベート・ライアンのアパム的な人物の怖さに逃げる=戦争にケジメを付けていないのを成長につなげつつも、当時の特攻精神の美徳に抗う現代的なバランスの取れた熱い映画で面白かったです。

特撮の壮大さ、テーマの熱さ、特攻精神を現代の目線で再構築して過去の良さと現代の良さを合わせた温故知新な作品に圧倒された一作です。
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