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ゴジラ-1.0のtetsuのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.0
公開初日に1人で、その1週間後にゴジラ好きの友達2人と、計2回鑑賞。

第二次世界大戦の末期、特攻任務を逃げ出し、怪獣"ゴジラ"の襲撃から命からがら生き延びた男・敷島。終戦を経て帰還兵となった彼に待ち受けていたのは、敗戦国として絶望に沈む人々だった。数年後、最愛の人・典子と平穏な生活を送る彼だったが、因縁の存在"ゴジラ"が再び現れて……。

試写を観た人たちの評判が良すぎたことでハードルが挙がり、鑑賞中はつい不満点(説明ゼリフが多い、展開が冗長etc...)に目がいってしまったものの、なんやかんやでラストは号泣。

「ご都合主義」という言葉があるけれど、そもそも映画は「フィクション」であり、「娯楽」でもあるわけで、それでこそ「映画」だよなぁと実感。商業映画を撮り続け、エンタメ性を追求してきた監督らしい着地に感動した(のちに、このラストに隠された裏設定を知り、「涙を返せ!」とも思ったけれどもw)。

また、なんやかんや山崎監督作品を追ってきたいち映画ファンとしては、その集大成として感慨深いものもあった。

冒頭、敷島に重要な言葉を投げかける日本兵・齋藤として遠藤雄弥さん(監督のデビュー作『ジュブナイル』主演)が登場した時点でグッとくるものがあったし、『永遠の0』『アルキメデスの大戦』に連なる「反戦映画」としても見事。

なにより『SPACE BATTLESHIP ヤマト』『永遠の0』で「特攻」を描いてきた監督が、本作で辿り着いた結末にも目頭が熱くなった。

ちなみに、公開時は映画業界で働いていていたため、本作はその点でも思い入れが深い。

関西の企業タイアップに奔走した上司の名前がエンドクレジットに載っていたり、大阪の舞台挨拶でちょこっと裏方として仕事をさせていただいたり……。

そのことをゴジラ好きの友達(通称:ゴジラ兄さん)に話したら、偶然、その舞台挨拶の客席にいたそうで「ええなぁ~」と心底羨ましがられました。笑
(ちなみに、ゴジラ兄さんは、本作を映画館で合計12回鑑賞したとのこと。笑)

また、海外で大ヒットを記録し、アカデミー賞視覚効果賞を授賞した今となっては、なぜ全米でここまでの成功をおさめたのかは気になるところ。

思えば「大切なものを守るため、一般の国民男性が団結し、大きな脅威に立ち向かう」というクライマックスは、まさしく『インデペンデンス・デイ』や『アルマゲドン』に通ずるアメリカの名作SF映画の王道展開なのかも。

さらに『オッペンハイマー』の余韻が冷めやらぬ中、本作が「終戦後の日本」を舞台に「反戦」を描いていたことで、米国の人にもより受け入れやすい状況があったのでは……?
偶然にも、その機運に乗じたことで評価された部分は少なからずあったのかなと思っています。

現代を代表する日本映画の1本として、是非、鑑賞してほしい本作。

楽しさに振り切った『ゴジラxコング……』との温度差も含めて、見比べてみると楽しいかもしれません。

参考

【レポート】『ゴジラ-1.0』神木隆之介が“大阪のゴジラファン”を前に舞台挨拶! | anemo
https://www.anemo.co.jp/movienews/report/godzilla-1-20231106/
(このイベントの1枚目、集合写真の後ろで神木さんにライト当ててました。笑)

ゴジラに"プラスワン"せよ!『ゴジラ-1.0』宣伝の世界 - 第9惑星ビニル
https://planetvinyl.hatenablog.com/entry/2023/11/18/184059
(ちなみに映画業界にいた時は上司がニッコニコしながらゴジラにお好み焼きを持たせてました。笑)

『ゴジラ-1.0』なぜ全米で大ヒット? 観客の反応から浮き彫りになるハリウッドの課題(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/a219694eaa7dbad89505b8bd8a2f551a4ed3d634
(全米ヒットの分析がまとめられた記事。この指摘にも納得。)

GODZILLA MINUS ONE Official Trailer 2
https://youtu.be/VvSrHIX5a-0?si=DS0gMaXj-oVB54sc
(海外版予告の中でもダントツで再生回数が多い第二弾予告映像。日本版以上に劇中のVFXシーンを盛り込んでいるため、この映像も大ヒットの要因かも。)

【『ゴジラxコング 新たなる帝国』公開記念】-1.0 ▷▷▷ GxK!全世界待望 空前絶後のゴジラムーブメントSP
https://youtu.be/Rih6oEoqnZ8?si=SlzbesiuDNbzVPWb
(山崎監督x『ゴジxコン』のアダム監督との対談もあり、必見のナビ番組を公式が太っ腹配信中!)
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