このレビューはネタバレを含みます
最後の解釈みんなはどっちですか？
彼ら2人の関係から連想されるのは銀河鉄道の夜のジョバンニとカムパネルラで、列車の中で2人の中の宇宙が広がる感覚はまさに宮沢賢治の名著を意識してると思われる。それが故に2人が乗っていたあの列車は無論死を連想させる。
ラストシーンはそれまでのシーンより多くの光を取り込んで撮影されており、それは彼岸のイメージとも取れるわけで、彼ら2人がラストシーンで死んでいたのではないか、という解釈が可能である。
論理的に考えればその可能性が高いことは否定できないが、ミノルくんが最後星川くんに言っていた「生まれ変わるなんてない、僕たちは僕たちのまま」という言葉に僕は希望を感じていたので、彼らが生きているという解釈を選択。
映画の構成的に後々考えてみると気づくことが多く、あらゆるディテールに各キャラクターの加害性が塗り込まれており、それはまさに誰も怪物なんかではなく、人間なのだと気付かされる。
この映画は自己愛の映画であると同時に、他者に対してありのままを受け入れる事の重要性、つまり他者愛の映画でもある。劇中の後半で語られる校長先生の言葉が印象的。誰にでも手に入るものが幸せであるという言葉に肩の力が抜けていく感覚を覚える。
