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巨人ゴーレムの河のレビュー・感想・評価

巨人ゴーレム(1920年製作の映画)
3.4
プラーグの大学生の主演をしていたパウル・ヴェゲナーの監督作。プラハで聞いたユダヤ人の伝説を元にしているらしい。
ユダヤ人コミュニティに降りかかる災厄、ここでは町からの追放に気付いた魔術師がコミュニティを守るためにゴーレムを作り出す。そのゴーレムはダビデの星をつけることで動き出す。ゴーレムがその魔術師の魔法による崩壊から町の人々を守ることで追放を免れるけど、そのゴーレムがユダヤ人の欲望によりコミュニティ外部との融和を拒絶するように暴走し始める。最後は、高い壁によって仕切られたユダヤ人コミュニティの外へ出て、子供と触れ合うことでダビデの星を取られ動かなくなる。最後はダビデの星が象徴的に現れて終わる。
当時のユダヤ人、そしてドイツの置かれていた社会的背景や予感、ダビデの星がどういう意味を持つのかを知ることで見え方の変わる寓話的な話のように思った。

プラーグの大学生と比べると照明を活かしたショットが増えていて、さらにセットや衣装もゴシックリヴァイヴァル的に作り込まれている。冒頭の星を見るショットやユダヤの儀式のようなショットが良かった。ただ、主役たるゴーレムの造形が微妙すぎるので入り込めない節がある。
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