なかなかに楽しめました。
こういうの、嫌いじゃないです。
この映画、一言で言えば、よー分からん映画(笑)。
宮崎駿版『不思議の国のアリス』とでも言うべきか。
意味合いとか理由付けとか、ホントはいろいろあるんでしょうが、そういうことは探ろうとせず、スクリーンの中で繰り広げられる出来事を単純に楽しみましょう。
おそらくこの映画はそういう観方をするように作られていて、伏線がどうとかリアリティ云々とか、細けえこたぁ気にすんなって感じ。ブルース・リーばりに「考えるな感じろ」のスタイルで挑むのが、この映画の楽しみ方の正解かと思われます。あちょー!
映画の中の結構大事なことでも観客の判断に委ねるところもあります。
そういった映画、普通私は、作り手の消化不足や自意識を感じて苦手なんですが。
この映画はでも、監督の言いたいことは全部伝え切っている感じがします。
その上で考えさせる内容になっているのです。
ただ、こういう芸当は相当に実力のある監督にしか許されず、ヘタな作家がやると、単なる独立したエピソードの羅列で終わってしまうのだ。
この映画は、丁寧な日常動作の描写とファンタジックな内容とのアンバランスさが私には心地よく、複数回の鑑賞に耐えうると思われます。
御年82歳の監督のイマジネーションの多彩さに驚かされました。