ふぃるま

首のふぃるまのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.0
なかなかに楽しめました。

残酷な場面も多いし万人向けではないかも知れませんが、それでもクスリとできる場面もあり、バランスが取れている。
映画自体がゆるめに作られているため、肩の力を抜いて楽しめる作品になっています。

しかしこの映画の登場人物ってみんな性格が破綻してる(笑)。
彼らの多くは後に教科書に載るような、偉業を成し遂げた人たちなんですが、彼らが揃いも揃ってエゴ丸出しで、加えて人を人とも思っていない。
ある者は強欲、ある者は傍若無人、自己中心的、放蕩、泥棒、裏切者…。いわゆるクズばかり。
『アウトレイジ』が「全員悪人」なら、この映画は『全員、クズ』(笑)。

そんな映画を、業界のトップに君臨する人が監督してると思うと、「やっぱ頂点に立つ人間ってのは、ああいう奴なんだよな」と言われてるような気がしました。

今の時代でクズ呼ばわりされてる人たちも、後々教科書に載るようなことがあるのかも知れないです。
(ジョブズとか、そうなりそう…)

時代がそうだったのかも知れないですが、でも、相手の気分次第でいとも簡単に切られて殺されるとか、緊張感がハンパない。私、タイムスリップできてもこの時代には行きたくないです(笑)。

品行方正でお行儀の良い人だけが人気者になれる現代日本の現状こそが、どこかおかしいのかもしれないです。


俳優さん達もそれぞれの個性を出しつつ、でも前に出過ぎることのない演技で気持ちが良い。
ロケや美術や衣装などが美しく、何気にお金かけて贅沢に撮った映画だと思われます。
ふぃるま

ふぃるま