ふぃるま

キリエのうたのふぃるまのレビュー・感想・評価

キリエのうた(2023年製作の映画)
3.2
アイナ・ジ・エンドが出演しているということで鑑賞。

不安だったアイナの演技はかなり良く、しかも今回は難しい役どころであり尚且つ主役である。きちんとその大役を果たせていて驚いた。

彼女演じる自称キリエが、けなげで儚げでねえ。そして、とても可哀想。胸を打たれた。

三時間という長尺だが、時間軸をシャッフルすることで単調にならず、謎や解決をうまく組み込んだりしている。引き込まれて観られた。

お話のメインとなる登場人物が三人おり、彼らをじっくりと描くために必要な長さだったのだと思う。

しかも広瀬すず、松村北斗がうまく、そのときどきの役柄をきちんと演じ分けられている。結構年代があっちゃこっちゃ行くのだが、混乱もなくスムーズに観られたのはこの二人のおかげかと。


しかし鑑賞後「監督はこの映画で何を伝えたかったのだろう」という混乱があった。もともと声高にテーマを主張する監督ではないし、テーマなんて作品にはそれほど大事なことではないと思っている私ですが、我々はこの作品で何を感じればいいのかがちょっと見えなかったかなあ。

物語に一応の解答は明示されているのだが、それでいいの? という納得の行かなさが残ったというべきか。
大きなうねりもあるお話なので、そこはもっとサービスして欲しかった。

アイナの歌はもちろん素晴らしく、元気や癒しをもらえました。
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