ふぃるま

四月になれば彼女はのふぃるまのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
2.5
私にはまあまあの映画でした。

こういった、心の動きや感情を描いた映画は、観る人の恋愛観や人生経験で大きく意見が変わる。おそらく男女でも評価は全然違うだろう。

この映画の場合、元カノから貰ったモノは絶対に捨てていなければならないという人は登場人物の行動が全く理解できないし許せないであろう。
そういう意味で、一緒に観る人の恋愛観を探ることができる映画なのかも。

ただホントはこの映画、自分自身というものを見失った人々が、自分を取り戻していく映画なのだ。
そう捕えると主人公たちの行動や気持ちにも納得がいき、全く違った印象が持てるかもしれない。

しかしそう捕えるのは実は難しい。というのも恋愛映画として売られ、恋愛映画の見せ方をしているからだ。
確かに恋愛を取り扱ってはいるのだが、もっと本来の形に沿った作り方なり売り方なりをしていれば、もっといい映画になったはずなのだが。

3人の俳優さんたちの演技は素晴らしく、見どころのある長回しのシーンなどもあり、品質そのものは悪く無いのにな。惜しい。



あと、これは最大の演出ミスだと思うが、オープニングを森七菜のシーンで始めたのはどうだろうか。
この映画、佐藤健と長澤まさみが、森七菜をきっかけに自分を取り戻すというお話なのですが、この始まり方だと森七菜がこの映画の中心人物だという観方をしてしまう。

別に主人公は絶対に最初に登場させねばならぬと思ってるわけでも、そういう決まりがあるわけでもないのですが、この映画の場合は失敗だったと思う。
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