大日本帝国の朝鮮半島支配をテーマとした、韓国のスパイアクション映画。凄腕の抗日活動家が、無数にいる日本人警務隊員を面白いように撃ち殺すシーンが続きます。韓国の観衆がカタルシスを得られるような味付けを施している作品です。
当時の喫茶店や映画館など、時代描写がそれっぽくて素敵。ただ登場する日本人は、仮面ライダーに出てくるショッカーより弱い「やられ役」ばかりで、アクション場面の緊張感がゼロでした。そこが残念です。
印象的だったのは、架空の反日武装組織の活躍ぶりです。支配者として君臨する朝鮮総督府の日本人たちは、メンバーの割り出しに血道をあげます。でも知力でも戦闘力でも武装組織には敵いません。「こんな愛国抗日グループがいてくれればなあ」という、韓国視聴者の声が聞こえる気がします。
これは、特攻シーンを見てカタルシスを得る日本人のメンタリティーに通じるものかもしれません。神風特攻隊の零戦一機が、米艦や敵戦闘機からの雨あられの銃撃を奇跡的にかわしつつ、見事に任務を成し遂げるー。こんな場面を観ると胸熱になるという人は、決して少なくないと思います。
役者は全員韓国人なのに、セリフの大半は日本語。驚きました。訛りがあり聞き取りにくいため、字幕付きで助かりました。後半の撃ち合いより、前半の犯人捜しの方がドキドキして面白かったです。全体としては、まあまあの出来です。