1995年の「セブン」以来のタッグとなる、デヴィッド・フィンチャー監督×アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー氏脚本のクライムサスペンス。
「セブン」では犯人の異常性に焦点を当て、その“サイコパス”な特異性を際立たせた、唯一無二と言っていいほどの犯人像を描きだしいました。しかし今作品はその逆で、自分のことを天才ではなく“凡人”と客観視している殺し屋が主人公。今まで100%依頼をこなしてきたその殺し屋が、パリで失敗を仕出かしたところから物語が始まります。
彼は自分が天才ではなく“凡人”であると知っていますから、ミスを起こさないための“心得”を何度も反芻して慎重さを高めて行く設定が現実的で面白いところ。彼は天才ではないのですが、プロ中のプロであることは間違えありません。そんな彼のブレない信念と行動力が淡々と描かれた“復讐劇”ならぬ“修復劇”は、できる男のお手本として見応えがありとても面白かったです。
ジェームス・ボンドみたいに行き当たりばったりじゃないし、ジョン・ウィックのような体力自慢でもない。だけど慎重さと計画性と対応力に長けた殺し屋という設定は現実的でクールでした。この評判だと今後続編ができてもおかしくなさそうですよね。って言うか、次のジェームス・ボンドはマイケル・ファスベンダーさんで良いんじゃないですか?
あと他に良かったのが、“綿棒みたな女”という前振りがあったので、誰かと思えば僕が大好きな女優の〇〇さんが登場。大女優さんつかまえて“綿棒”って失礼じゃないですか? と言いつつ、遠目から見たら“綿棒”に見えてしまうあのシルエットには思わず笑ってしまいました!