・ジャンル
クライム/アクション/サスペンス/ノワール
・あらすじ
国際麻薬組織の長でありながら本名はおろか顔や性別さえ手下達の多くにも知られていない麻薬王、通称“イ先生”
麻薬捜査班の刑事ウォノはイ先生を追う中で組織の密造者であるソ・ヨンナクと協力関係を持つがやがて裏切られ彼は姿を眩ませてしまう
イ先生を騙っていた組織の理事、ブライアンを逮捕した事で警察上層部は捜査を終結させるが本物は別にいる事を知るウォノはヨンナクを追い続けていた
その矢先、事態は動き始める
ブライアンが病院から消えたのだ
それぞれ異なる理由で本物のイ先生を探すヨンナクとウォノ
ヨンナクに陥れられ復讐心に燃えるブライアン
交錯する三者の思惑は新たな敵として現れたイ先生の手下ソプ・ソチョンの介入によって更なる混乱へ陥っていき…
・感想
2012年に公開された中国・香港合作の作品「ドラッグ・ウォー 毒戦」
今作はその韓国リメイク版である「毒戦 BELIEVER」の続編としてネトフリオリジナルで公開された物
前作からヨンナク役及びチン・ハリム役の2人がキャスト変更されている(前者はスケジュールの都合、後者は役者の死去による物)
冷淡な頭脳派らしいオーラを強く漂わせていた前作のヨンナク役、リュ・ジュニョルがハマり役だっただけに今作のオ・スンフンは爽やか過ぎてイメージ違うしどうだろう…と思ったけど結果としてはむしろそれが功を奏していた印象
ヨンナクが何故、イ先生を狙うのかという目的が今作では明かされておりそこに上手くハマっていたと思う
また人間ドラマはより重厚な物となり、作品の規模も拡大、派手さを増した戦闘シーンやゴア描写、虚しいラストなどしっかりと内容がアップデートされていた点がとにかく良かった
前作の様な謀略をヨンナクとブライアンそれぞれが張り巡らせる展開も見応えがあって惹き込まれる
作品自体が面白いのは言わずもがなだけど何と言っても魅力的だったのはハン・ヒョジュ演じるビッグ・ナイフことソプ・ソチョンのサイコっぷり！
これがまぁ見事で入り込み方が凄まじかった
加えて韓国と中国以外にタイも絡む中でメインキャスト達が流暢に多言語を使いこなしたりといった点もリアルさを増幅させていて良かった点
そして面白かったのが前作で謎を残したラストの前の抜け落ちた部分を描くという構成
途中まではifの世界を描いてるのかと思いきや最後に全て繋がってそれがちゃんと重たく物悲しい物なのが最高だった
イ先生の人物像も拍子抜けさせないサイコ感あって好き
他の方達のレビューを見てるとあまり評判良くないみたいだけど韓国のノワールやサスペンスが好きな人にはやや複雑でご都合主義な側面もあるとはいえかなり楽しめると思うので個人的にはシリーズ両作ともオススメ
世界観や描写の方向性の違いを楽しめるという意味では是非原作も観て欲しい
