まるちよ

終わらない週末のまるちよのレビュー・感想・評価

終わらない週末(2023年製作の映画)
2.8
日常の気分転換に郊外の高級レンタルハウスにバカンスとして訪れた一家と、静かに崩壊していく国家の様子を描いた話。

かなりメッセージ性が強く、それぞれの描写にきちんと意味がある(ように思える)。
突如スペイン語で助けを求めてくるおばちゃん、北朝鮮なのか中東なのかを匂わせるビラ、テスラ車の集団暴走等。
アメリカで潜在的な問題になっている、メキシコとの国境問題から始まりこういった「アメリカ人ならなんとなく聞いたことある」といった要素をほんのりと散りばめている感じ。
日本人だからあまりピンと来ないけど、これらに漠然とした不安を抱いているアメリカ人が見ればかなり恐怖心を抱くと思われる。
また、そういった要素以外にも森の中から家をジーっと覗く鹿の大群や、甲高い音の後に歯が抜け落ちる描写、不気味さを煽るカメラワーク、不安定な精神状態の母親(ジュリア・ロバーツ)等とにかく不気味で憂鬱な感じが続く。

オチは賛否両論あるだろうけど、テーマがアメリカが抱える恐怖の具現化と思ったので個人的には有りな終わり方だった。
あと地味に典型的な保守的白人枠としてケビン・ベーコンが出てくる。

なんとも言えない映画。
人におすすめはできないけど、ちょっと変わったスリラーが見たい人にはいいかも。
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