kuu

スペースマンのkuuのレビュー・感想・評価

スペースマン(2024年製作の映画)
3.3
『スペースマン』
原題 Spaceman
製作年 2024年。上映時間 108分。
Jaroslav Kalfařによる小説『Spaceman of Bohemia(原題)』を映画化。
調査任務のため、太陽系の果てにたった独りで送られ半年となる宇宙飛行士ヤクブ(アダム・サンドラー)は、地球に戻る頃には夫婦関係が終わりを迎えてしまうのではないかと不安に駆られる。
妻レンカ(キャリー・マリガン)との関係を修復しようと必死になるヤクブは、宇宙船に潜んでいた太古の謎の生物ハヌーシュ(声: ポール・ダノ)の助けを借り、何が間違っていたのかを見つけようと奮闘する。。。

今作品はガチの筋金入りSFモノじゃないが、ドラマとSFが交錯する恒星間航行へと観るものを誘ってくれる。
繊細な演出で、今作品は孤独な宇宙飛行士の宇宙の旅を描き、宇宙の深淵と人間の心の複雑さを探求する物語。
冒頭から、撮影は宇宙の広大な空虚さを捉えていた。
CGIはシームレスに統合され、孤独な宇宙飛行士が経験する感情的な孤独を映し出す視覚的スペクタクルを作り出していました。
太古の謎の生物ハヌーシュ、エイリアンのクモのような生き物がチャネラー(異次元の意識を人に伝える媒介者、宇宙存在と交信する人、霊媒者を意味)として物語は展開する。
映画はノンリニアな物語を採用し、フラッシュバックを巧みに利用して主人公の過去の層を明らかにしていく。
巧みな俳優アダム・サンドラーが演じる主人公は、地球に取り残された人生の記憶に悩まされながら、荒涼とした宇宙空間を航海する。
この並置は、人とのつながりよりも野心を優先することの犠牲を効果的に強調している。
サウンドトラックは天空の楽曲で、映画の感情的な共鳴を高めていました。
一音一音が宇宙飛行士の内面の葛藤を映し出し、重要なシーンの感情的インパクトを強める没入感を生み出していたかな。
映像と音楽の相乗効果がストーリーテリングを高め、超越的な映画体験に没入させてくれた。
主人公が宇宙の奥深くへと旅するにつれ、物語はSFという前提を超え、愛、後悔、自分探しといった普遍的なテーマを探求していく。
脚本は内省を促し、広大な存在の中で自分自身の優先順位について考えるよう誘う。
宇宙飛行士が無関心な探検家から、つながりを求める憧れの魂へと変化していく様子は、信憑性と深みをもって描かれていた。
愛情に満ちた関係を持ちながら、不注意からそれを失ってしまった多くの人々が共感できるはず。
愛は当たり前ではないと改めて認識し直させてくれた作品でした。
kuu

kuu