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同感〜時が交差する初恋〜のkuuのレビュー・感想・評価

同感〜時が交差する初恋〜(2022年製作の映画)
3.6
『同感~時が交差する初恋~』
原題 동감/Ditto  映倫区分 PG12
製作年 2022年。上映時間 114分。
劇場公開日 2024年2月9日。
キム・ハヌル、ユ・ジテの主演で2000年に製作された『リメンバー・ミー』を、時代設定を新たにして描いたラブストーリー。
1999年に生きる男子大学生ヨンと、2022年に同じ大学に通う女子大生ムニが、1台の古い無線機を通じて交信し、時代を超えて心を通わせていく。
ドラマ『ホテルデルーナ 月明かりの恋人』『怪物』などで活躍するヨ・ジングが1999年に生きるヨンを演じ、『賢い医師生活』『今、私たちの学校は...』などのドラマで知られるチョ・イヒョンが2022年に生きるムニを演じた。
メガホンをとったのは、『告白』を手がけた女性監督のソ・ウニョン。

韓国ノスタルジー、甘美な青春群像劇、そして真摯な友情、2000年に公開された同名映画のリメイクである今作品は、大学生活で生じるさまざまな葛藤を、親しみやすく魅力的なストーリーを盛り上げる魔法のような前提を通してとらえていました。

1999年を生きる大学3年生のキム・ヨン(ヨ・ジング)と、2022年を生きる同じ大学の2年生キム・ムニ(チョ・イヒョン)の物語。
古いハムラジオを通して、ふたりは突然、時間を超えて交信できるようになる。
そして、毎晩の会話の中で、お互いの恋や友情について考え、悩み、アドバイスを分かち合う。1999年、ソ・ハンソル(キム・ヘユン)に一目惚れしたキム・ヨンは、彼女への想いをどう伝えればいいのか悩んでいた。
親友のキム・ウンソン(ペ・イニョク)にも助けてもらえず、ムニに相談する。
一方2022年、ムニは両親の古い遺品を探しているときにハム無線機を見つける。
彼女はヨンが自分と同じ時代に生きていないことを知り、特に面白がる。
しかし、友人のヨンジ(ナ・イヌ)の助けを借りて、彼女は自分とヨンの人生に関する驚くべき秘密を明らかにする。

今作品はノスタルジックな映画で個人的に、最高の意味で感傷に浸れた。
23年の時を隔てた青少年たちの、身近でありながら対照的な視点から描かれる、感情的でハートフルな成長物語とも云えるかな。
時間そのものがこの映画の登場人物と云える。
そして、主役の2人と彼らを取り巻く大切な人々を支えるのに役立っている。
今作品はテンポの速い映画で、ちょい速すぎるところもあった。
その意味では、短編ミニシリーズのような長いフォーマットであれば、さらに歓迎すべき深みと大きなスコープが得られたかもしれない。
青春と呼べるこの時期は、ドラマもコメディも、そして、その間にあるあらゆるものも、確かに熟している。
そして、今作品が捉えることができるものは限られている。
素人勝手で注文つけさせていただけれるんならば、特に登場人物について、もう少し深く掘り下げてほしかった。
今作品は、彼らが提供しうるものの表面を引っ掻いただけのように感じられた。
しかし、その一方で、今作品が封じ込めた限られた絵が、物語のスライス・オブ・ライフ(ありふれた日常を描くこと)のオーラを高めている。
そして、逆に、今作品の夢のようなノスタルジアを際立たせているかな。
キャストが魅力的で、愛らしい。
ヨ・ジングは若く才能豊かなキャストを率いて、大学生の生活でお馴染みの数々の罠をくぐり抜けていく。
彼はチョ・イヒョンと、たとえ2人のキャラがハム無線でしかコミュニケーションを取らないとしても、善き相性を見せる。
結局のところ、今作品はその目的を果たしている。
2時間弱の今作品は、異なる時代の2人の大学生の人生を、心からほのぼのとノスタルジックに描いている。
二人の物語をもっと深く掘り下げれば素晴らしい作品になったやろうけど、まぁ最終的には楽しく魅力的な映画やと思いつつ家路につきました。
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