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サタニックパニックのkuuのレビュー・感想・評価

サタニックパニック(2019年製作の映画)
3.3
『サタニックパニック』
原題 Satanic Panic  映倫区分 R15+
製作年 2019年。上映時間 85分。
劇場公開日 2021年3月12日
悪魔崇拝者の集う邸宅に足を踏み入れたピザ配達員の運命を描いたホラー。
出演はレベッカ・ローミン、ジェリー・オコンネル、ジョーダン・ラッド。

ピザ配達のアルバイトをするサムは、誰からもチップをもらえず困っていた。
せめてガソリン代だけでももらえないかと配達先のある邸宅に足を踏み入れたサムだっが、そこでは悪魔崇拝者の集会が開かれていた。
自分が処女であると口を滑らせたサムは、悪魔崇拝者たちに生贄として捕らえられてしまい……。

『犠牲は払わねばならない』

悪魔崇拝の秘密結社、処女の生け贄、血しぶき飛び散るゴア、上流階級の趣味など、クレイジーでワイルドなネタを含んだ今作品。
ホラー作家グラディ・ヘンドリックスとテッド・ゲイガンによって書かれた今作品は、サマンサ(オールイン・ヘイリー・グリフィス)を主人公に物語を展開させる。
オーストラリアを夢見る20代の彼女は、なぜかピザの配達の仕事をすればオーストラリアに行けると思っている。
彼女はベスパのガソリン代として必要な5ドルも持っていないほど困窮しており、さらに同僚たちは『チップなし』の配達で新人の女の子をこき使っている。
配達員をこき使う品のない人たちが本当にいるんやろか。
ピザの配達でひどい目に遭ったサマンサが、パーク・シティーにある豪邸のドアをたたくのも理解できる。
そのノックのせいで、サマンサの不運な仕事は生死にかかわる問題に変貌する。
サマンサは上流社会でのお茶会を邪魔するどころか、ダニカ・ロス(レベッカ・ローミン、『X-MEN』)が率いる悪魔崇拝のカルト集団に出くわす。
そして、今日は処女を生贄に捧げる夜なのだそうだ。
そして誰がその資格があるのか。
そう......ノーチップのピザ配達員、サマンサ。
ダニカの夫(ローミンの実生活での夫ジェリー・オコンネル)が登場するシークエンスと、この映画で最もグロくて印象的な特殊効果の後、サマンサは地獄のような屋敷から脱出することに成功する。
すぐに彼女は、偶然にもダニカの娘だったジュディ(ルビー・モディーン)と手を組む。
悪魔崇拝者たちは、サマンサをバフォメットに捧げる処女の生贄として捧げることに集中していたが、ジュディの内部知識は、一時的な救済の抜け穴を見つけるのに大いに役立つ。
因みに、バフォメット(Baphomet)てのは、近世に山羊の頭に人間の体を持つと位置づけられた、西方キリスト教世界に措ける有名な悪魔です。
このようなことが起こっている間にも、ダニカとジプシー(野性的な目をしたアーデン・マイリン)の間で集会内での権力闘争が起こっており、このコメディ・ホラーのカーニバルにもうひとつ輪をかけた要素が加わっている。
低予算という制約を考えると、映画の効果は非常によく出ているし、ロミーン、グリフィス、モディーン(マシューの娘)はそれぞれの役柄で効果的でした。
サマンサが年齢の割に信じられないほどナイーブなのは不思議やけど、今作品は考えたり分析したりすることが目的ではない。
その代わり、ベスパを運転するピザ配達員から得られるであろう最もワイルドな乗り心地を、腰を落ち着けて頭をからにして視聴したら十分に楽しめる作品だと思います。
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