kuu

ミート・ショップ・オブ・キラーズのkuuのレビュー・感想・評価

3.3
『ミート・ショップ・オブ・キラーズ』
原題 Main Street Meats
製作年2022年。上映時間109分。
潰れかけの肉屋がヤケクソで人肉を売り始めたところ大人気商品になってしまうというブラックコメディ。
出演はモーガン・ボーランド、スティーブ・ゴラ、ステイシー・ウェバーほか。

ラスベガスまでのドライブ中、チェリーの車が故障してしまう。
ホテルもないこの町で、車の修理が終わるまで滞在することになった精肉店を営むフロイドは、変化を求めてチェリーに店番を頼むことにする。
ある日、無口なフロイドの弟のネディーは、商品に文句ばかり言う客に腹を立てて殺してしまう。
こんなことが知られれば、店の立て直しどころではなくなると感じたフロイドは、死体を隠すため、死体を挽肉にして店で売ることにする。
この肉が大評判になり客が取り合う人気商品となる。
一家は、客の<需要>を満たすため、彼らは町のはずれで<仕入れ>を始める。

今作品と『ビーガンズ・ハム』(2021年 )はよく似てる。
ただ、『ビーガンズ・ハム』が完全に現代のフランスとなってたが、今作品は1960年代を舞台にしている。
また、今作品は『ビーガンズ・ハム』にくらべると小汚ないかな。
んで、両作品ともにコメディであって、ホラーではないし、ちょっとひねくれた作品だと思う。
個人的な好みとしては、今作品はもっと血とゴア描写があってもよかったし、殺戮や屠殺シーンの暴力的な部分がもっとあってもよかったと思う(書いていて自分に怖いものがあるが)。
今作品を構成する多くの要素は、『ビーガンズ・ハム』を観てなかったら、見たことのあるようなクローンではなく、この映画を何か特別な一本の素敵な全体像にするために必要な量だけ、うまく混ざってる作品やと思ったに違いない。
でもまぁ、映画でやりがちな、ただ押し込んだだけのものや、過剰なものは一切なかった。
そのため、全体的に退屈やったり、映画の独自性を保っていた。
また、予算がそれほどあるわけでもなく、それを生かした面も多く、深刻に考えようとしたり、気まずくなったり、悪い意味で安っぽくなったり、あるいは予算不足で失敗したりするようなことは決してなかったかな。
予算内でバカバカしく楽しむための映画であることを理解しており、それを強みにして、他の多くの映画とはさらに違った、最初から最後までただひたすら楽しい映画にしている。
映画の見た目は、フラッシュバックのような古いフィルムで昔の映像を映しているのかと思わせるほどだ(偽グラインドハウス風でもない)。
この感じは最後まで保たれ、聞こえてくるものがその古い感じにマッチしている。
それと、ステレオで流すだけでも楽しめる音楽もある。
この映画には暴力的なシーンがたくさんあるが、そう感じさせないような形で、(うまく表現できないが)毒舌で描かれていた。
怖がらせようとしたり、不機嫌にさせようとはしないし、実際、怖くならないようにしているようだし、不機嫌になるような映画であろうとしていないのは明らかかな。
そのようなものをただ楽しく、時にはユーモラスにさえ見せようとしている。
ただし、楽しさ満載とはいえ、それなりの量の暴力があることは知っておいてほしいかな。
残酷で暴力的な映画に慣れている人なら、ユーモアたっぷりの楽しい時間に思えるだろうし、そうでない人なら、ひねくれたコメディかもしれないが、単なるコメディにしか思えないに違いない。今作品はめちゃくちゃよき映画ではないし、画期的なものでもなが、とても楽しい
kuu

kuu