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ナイアド ~その決意は海を越える~のchidorianのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画を観るに当たり、この記事を読んだ。

「映画『ナイアド』の舞台裏:観る前に知っておきたいトリビア 何が本当で何が間違い?マラソンスイミングの真髄とは」
https://bit.ly/49sgfhh

実話ベースの映画ではしばしば事実と違った脚色がされるが、それを指摘した記事だ。映画を観てオープンウォータースイミングに興味を持った人に向けたもので、ナイアドに対する批判も含まれているが、映画と実際の遠泳がどのように違うかが書かれている。
例えば、映画では簡略化されているが、実際おこなわれたナイアドのチャレンジは、5艇の船と40人のクルーによって成し遂げられたとか、費用はどれくらいかかるものなのかとか。
ナイアドのおこなったような「マラソンスイム」には厳密なルールがあって、その観点から見たナイアドのチャレンジの分析はなかなか興味深い。
ナイアドのチャレンジの記録に不備があるとして公認されていない問題は、誰の言い分が正しいのか私にはさっぱりわからないし興味もない。記事はひとつの分析として参考にはなると思う。映画のキモはそこじゃないしね。

映画内でもナイアド本人の映像が出てくるが、実際にアンチも多いという彼女の強烈なキャラを、アネット・ベニングが上手に演じていたと思う。これは脚本のあんばいもあるのかもしれない。映画でもよくわかる事だけれど、ボニー・ストールがいて本当に良かったよね。
実話ベースの映画に良くある、エンドロールでの「本人登場」シーンで、主演2人とナイアドとストールの4人で写っている写真が出てきたのにはグッときた。

主演の2人に劣らず、ナビゲーターのジョン・バートレット船長を演じたリス・エヴァンスも良かったが、彼、『ノッテイングヒルの恋人』のスパイクなんだね。驚いたけど、もう20年以上経ってるからな。
映画でも病気のことを言っていたけれど、これもエンドロールで実際のジョン・バートレット船長が2013年に亡くなっていることがわかって、ショックを受けた。チャレンジが成功したその年だ。

私も劇中のナイアドと同世代なので、来年の誕生日に何かでっかいチャレンジ計画をぶち上げてみようかしら。パッとは思いつかないが、とりあえず気持ちを前向きにして背中を蹴っ飛ばしてくれるような映画でした。
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