肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男の肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

3.9
キング牧師が立役者かのように語られる"あれ"の日の本当の発起人と実現も奔走したバイヤード・ラスティンという男の公的に憚るしかない時代のゲイのゲーム(愛憎劇)
も相乗して行われる"許されなかった弱者のため"のシンの「公民権」運動、その時代の1ページを更新せよ

元・米大統領夫妻のバラク&ミシェルオバマ夫妻がエグゼクティブプロデュース(制作総指揮)の肝入り「黒人映画(公民権映画)」ということで、なんでこの御二方?と思ったら、制作会社自体がこの夫婦によるものらしいですね。知らんがなっていう(笑)
きっとNetflix公式Xで流してそうですが、予告編枠の「ティーザー予告編3」ではオバマ元・大統領自身がPRしてるので要チェック♪

一番はこの映画の"価値"、日本では「ワシントン大行進」をご存じの人自体が少なく、知っていても63年当時を生きていた御老体の方々がほとんどでしょうが、「アメリカ史」の『黒人差別』、「公民権(法)」の節目のトピックとして、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、通称「キング牧師」の偉業と同時に語られる出来事を"塗り替える"かのような「再認識」をこの映画が充分に果たしてくれたと思います。
この映画の視点によると先導者はバイヤード・ラスティンその人であり、キング牧師はおこぼれというかあくまで途中参加で実権を握った"脇役"かのように目に映ります。

なにより、ラスティン役を演じたコールマン・ドミンゴさんの"味"のある演技が凄まじいんですよ。まさに"アカデミー賞級"とは納得のカリスマとは違った"抜け感"の個性。
元々黒人俳優ならではの台詞回しと特徴的な声で存じてはいましたが、ミュージカルリメイク『カラーパープル』のクズ極まれり(ミュージカル版は視聴者による憎しみも低減され、なんとなく怨めないキャラにw)のあの"ミスター役"と今作の両作で俳優賞で一気に評価される俳優として、受賞有無に関わらず2023年映画を代表する"顔"の1人なので『カラーパープル』観たのなら必見です。

84年の英国での炭鉱スト✖LGSM(BT)を描いた『パレードへようこそ』のように「パレード(デモ)」を描いた映画ってのは名作・良作"必中"な印象ですね。
そこには「個」から『集』への気持ちを一致させる"改革"への熱意も籠もってるから、自然と訴えかけるものがあるのでしょう。
といっても、今作ではその肝心の「大行進」の実施映像は制作費や人員の問題なのか?ほとんど省略され"成功に導いた過程"が要として描かれます。
ここも評価の賛否に影響しそうですが、なにより肝心、ついていくのに必須なのが主人公であるラスティンの成り行きや立ち位置の「オープニングの理解度」です。

NAACP(全米黒人地位向上協会)、CORE〈人種平等会議〉・SNCC、
(モンゴメリー・)バス・ボイコット運動(キング牧師の飛躍)が序盤にサラッと組織や運動名などそれ"前提"で語られる流れなので、ここで面食らってしまうと人間関係・構図に置いてけられてる感がずっと頭片隅に鎮座してしまいます…
ここで躓いてしまうと、置いていかれる…ことはなくてもポンポンと組織結成、リーダー然として振る舞っているので、飛ばされたような感覚や"感情移入"への障害となってしまいます。
なので、ざっくり"黒人権利保護組織"の御えらいさん感覚だけ持って見てしまった方が手っ取り早いですねw

といっても、そこにはラスティンその人に「LGBTQ+」要素があり、"人種"と"同性愛"のWパンチで人生が"差別的試練"に塗れてきたので、"被差別者(弱者)"として"指導者(リーダー)"として"感情移入"もWパンチで応援姿勢になって熱くなるものはあるんですけど、「同性愛」が公的に認められてないからといって、同性愛だからといって当然"不倫"は許されないし(当人)、当人ではないけど妻・子ありの「家庭」持ちの"隠れみの不倫"って、「本当は女なんて好きじゃないんだからね!///」って子作ってたり、婚姻してたら"クズはクズ"だよねっていう…「人格」問題なんですよw
これは、Netflix中名作&アカデミー賞候補作中『マエストロ:その音楽と愛と』でも疑問に思った「弱者」を盾に"言い訳できない"被る部分。
そこに白人の組織の部下との恋人関係という当時としても、珍しい関係性に興味を惹かれるのですが、結局キング牧師とは違う同人種の妻ある牧師と"禁忌(不倫)の愛"を楽しんで、色んな関係が破綻。最終的に結ばれるのも未登場人物?らしく結局彼が行った同性愛のゲームはいったい何だったのか?と、"感情移入"も"親愛の道行き"も決して肯定的に見れなく、疑問符が残るのは返って"人間み"があっても彼の"偉業"の足を引っ張るといっていい"不完全さ"で讃えきるのも憚れてしまいます…
だとしても、

「行動に結びつかない感銘は無意味だ」

序盤のラスティンが公式名言後(らしい)即興の言葉で、実際の言葉かは真偽が定かではないですが、彼によるなかなかの名言と言っていいほどの切れ味のいい言葉。
そう、誰にもというより、本作を見、映画を咀嚼し続け価値ある解釈など持てる術すら持たない自称映画通・映画趣味、我々にこそ届けたい言葉として、案外効力を発揮する。

こう言説を述べるだけまだマシ…なんてことは一切言わなく机上の空論、ペチャクチャ言ってるだけのうちは結局"無意味に等しい"のだと、映画好きほど突きつけられた面持ちで痛切に感じなければいけないかもですね…
アメリカは再び岐路に立たされ、こういう振り返させる"アメリカ―パワー"の再起を図っていても「2024アカデミー賞」は、原爆&邦画二作受賞と切っても切れない"関係性"のもと"他人事ではない"は婉曲的に他国映画界からもたらされてることを思えば、『無意味な感銘』の意味も刺さる年になっているかも・・・?😉