む

タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスターのむのレビュー・感想・評価

5.0
Dolby 3Dで鑑賞してきました。
3Dメガネをかけると、映像の色味が少し鈍くなるのが気になるのと、3Dで鑑賞しなくても別に良かったかな?と思った。
しかし、名作を映画館で観れたことは最高の体験だったし、とても美しくて儚くて、鮮烈な3時間を過ごした。


1912年に起きた、タイタニック号の悲劇の実話を描く今作は、不運にも乗船してしまった人々の運命と人生が刻まれている。
ローズ老婆の語りから物語へと踏み入ることで、観客もスンナリと1912年へと飛んでいける。
ストーリーから映像、音楽まで、一寸の無駄も無い繊細で精密な映画作りは、完璧主義のジェームズ・キャメロン監督らしい。

しかし、ここまでの完成度に持っていったのは、レオナルド・ディカプリオの演技の功績が大きいと思った。
貧乏でありながらも、知性と勇気を持って生まれた聡明なジャックを演じ切れたのは、彼しかいなかったと思う。端々で見せる素直な眼差しと、ガラス玉のような瞳に、完っ全に虜にされてしまった。


どんなに愛していても、身分が違えば一緒にはなれないという近代版「ロミジュリ」を、歴史のロマンと同時に描いたことで、愛と人間讃歌の感動を心の芯から味わえた。
インターステラーで「愛は時空を越えるのよ」というセリフがあるが、正にその通りだ。ラストシーンは、現代に生きる僕らが時空を越えて、被害者の方々へ思いを馳せていた。
む