このレビューはネタバレを含みます
女子ふたりの愛情を超える友情。
前半はとても好き。テルマ&ルイーズみたいに、友情を深めていくストーリーなのだろうと思っていたけど、二人の関係が拗れたり、元に戻ったりと、後半あまり爽快なものではなかった。
そしてミソが現在から過去を振り返る形式であるため、とりわけ目まぐるしく状況が変わる後半においては時系列が分かりづらい気がした。
ハウン、ミソ、ジヌの関係性とか、ハウンとミソの行動が特殊すぎて、理解しようとは努力したが、共感はできなかった。目の前で起きていくことに呆気に取られる、という感覚。
後半色々と回収されていったが、そもそもミソが描かれた絵についての言及がなされたのは序盤だけだったため、鮮やかな伏線回収とは言えなかった。人間関係を描きながらも様々な要素が明かされていくというストーリーは実に意欲的だが、観客を置き去りにしてしまった感は否めない。
それにしても、ミソは親友の死を1人で背負い、子供を代わりに育てていた、ということだ。「自由だけど繊細」だというハウンの言葉の通り、愛情深く繊細な優しさを持っていた。親友だとしても、そこまでできるか？想像し切れないほどの絆があるのだな、と理解した。
ミソというキャラクターが本当に魅力的。自由奔放で少しだけ場を荒らすが憎めないキャラクター。現実には余りいないタイプだからこそ、惹かれる部分が多いのだろう。
要素は多いが、無駄も多い。後で収穫するための種は蒔いたけど、水遣りをせず育たなかった。ミソの彼氏が死ぬ話とか、まあジヌの家に転がり込む要因として必要なのだろうけど、死なせる必要はなかった気がする。ストーリーに直接関係しないものの出来事のインパクトが大きかったから、悪目立ちしている印象。
旅は人を変える。私も、人生を変える旅をしてみたいものだ。
映像0.8,音声0.8,ストーリー0.7,俳優0.9,その他0.3
