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ソウルメイトのumisodachiのレビュー・感想・評価

ソウルメイト(2023年製作の映画)
3.8


『ソウルメイト 七月と安生』の勧告リメイク。オリジナル未見。

済州島で暮らすハウンのクラスに、ソウルからミソという少女が転校してきた。ネグレクトされていたミソはハウンの家で暮らすこととなり、2人は無二の親友として成長する。しかし、高校時代にあることがきっかけで離ればなれになり……。

まず、済州島で過ごす少女時代の描写が素晴らしい。小学生のときの2人の邂逅も、高校生になって全身から溢れ出す生命力を振りまいて日々を楽しむ様子も、眩しすぎてクラクラした。時代の描き方も絶妙にリアルで、国が違うとはいえ懐かしさでいっぱいになった。

ヒロインの2人は文句なしに魅力的で、目が離せない輝きを放っていた。顔の造作の美しさ云々以上の魅力を余すところなく捉えているという点いおいて、この監督は人物を描く才能がかなりあるのだと思う。一方、彼女たちの間が変化すsるきっかけとなる青年については、いまいち感情が伝わらず(外見以外まるで魅力がないよね)。でも、外見だけに惹かれてそのまま執着して離れられなくなるっていうのも若いころあるあるなのかもしれない。

個人的には、終盤に畳みかけられる物語の「答え合わせ」が始まってからは冷めてしまった感あり。「実はこうだった、ああだった」という答え合わせに加えて、現実と非現実が入り乱れる構成になっているのだが、感情が追いつく前に急いで展開していくのでちょっと置いていかれる。よく考えるとおかしくない?という要素が多すぎるのもノイズになっているので、単純にストーリーをもっとシンプルにした方がいい気がした(元も子もないが)。

オリジナルを観ていないので何とも言えないものの、個人的には青春描写をもっと増やして、終盤の「種明かし」ポイントは2つくらいに集約して盛り上げてもらいたかったところ。全体の雰囲気は素晴らしいし、役者たちの演技も見事だったが、複雑すぎるプロットがやや足を引っ張っていた印象。


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