真に迫る骨太のドキュメンタリー、面白くないはずもなく。
北朝鮮関連のドキュメンタリーはよく見るけど初めて知ることも多く。これはリアルな脱北をスタートからゴールまで全て本物の映像で追体験とは言えないけど道程を共にでき。人権意識から見るのではなく「こういう人生もある」という目で観る。
私が無邪気に海外の観光旅行している間にも、国に命握られた人間が北朝鮮→中国→ベトナム→ラオス→タイの決死のロードムービーやってる。ベトナムもラオスにも中国の息が掛かってるとは、普通に生きてれば知らないことである。
ただ私は考えてしまう、かの国が非人道的な野蛮国家でありそれは凶弾必至であることは前提として。外の情報を何も知らされない独裁国家から全ての情報にアクセス可能な民主国家に移り住んで、幸せの尺度が変わってしまった人間はどう客観的に自分を立て直すのか。それはどう可能なのか。チュチェ思想を信じて疑わなかった脱北家族のあの祖母は、韓国で何を頼りに生きるのか、キムからキリストへ神を置き換えることは容易なのか、現代の資本主義で幸せになれるのか…
