ボーはおそれている。
ヘレディタリー、ミッド・サマーよりも増して、血縁の悪魔的な呪縛を描いていた。
歪んだ愛と憎しみを持つ母親が息子を精神的、空間的クローズド・サークルに押し込めるのである。
言うなれば「毒親によるトゥルーマン・ショー」。
母親が生きて、またあの呪いの言葉がかき消されない限り彼は自由を手にすることはない。
それにしても、冒頭から中盤くらいまで、次々とボーに襲い掛かる最悪な出来事のラッシュは本当に「タイパ最高！悪夢パック」を見ているようで、かなり活き活きとした想像力に満ちていて、楽しかった。（狂気の全裸中年男性おもしろすぎる）
ただ、どれが彼の統合失調的な妄想で、どれが母親の刺客による現実なのかはよく分からなかったから、また観たいと思わせる。まぁその線引きは無意味だろうけど。
でも3時間は長すぎる。寝落ちをおそれている。
