テレザさんの映画レビュー・感想・評価

テレザ

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

たしかに登場人物は多いし名前も似通っているし呼び名も人によって変わるし、一人ひとりが異なる思惑を持っているが巧妙にそれが隠されている、みたいな、ドストエフスキーの小説(特に『悪霊』)を彷彿とさせるよう>>続きを読む

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

5.0

ベストオブベストオブベスト。

終盤、引き返せない、もう何も元通りになることはない、このまま終わりまで突き進むしかないと確信したときの「こんなに目覚めてるの初めて」で、「未来に希望があるって感じ」を、
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

直球で素直なフェミニズム映画…と言っていいのかな? ただそれだと、あまりにも語るところがない。
「女性が性に奔放であることが非道徳的であることや、男根による女性支配は当然、といった文脈はあくまでもその
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.8

ボーはおそれている。
ヘレディタリー、ミッド・サマーよりも増して、血縁の悪魔的な呪縛を描いていた。
歪んだ愛と憎しみを持つ母親が息子を精神的、空間的クローズド・サークルに押し込めるのである。
言うなれ
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.0

ドキュメンタリーなのにスパイ映画のシナリオのような盛り上がりがあり普通に面白かったのだが、あくまでも現実であり結局、つい先日彼は殺されたのである。

希望を捨てるなと志高くても、もはや言論やデモだけで
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わたしは金正男を殺してない(2020年製作の映画)

3.8

みんなに見応えあり。
私自身、あの暗殺事件の概要は知っていても実情を知らんかったのでマジおもろだった。
ベトナム人の彼女、さすがにあの格好とノリで帰国したら叩かれるだろw でもなんかリアルでよかった。

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.0

真に迫る骨太のドキュメンタリー、面白くないはずもなく。
北朝鮮関連のドキュメンタリーはよく見るけど初めて知ることも多く。これはリアルな脱北をスタートからゴールまで全て本物の映像で追体験とは言えないけど
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ユンヒへ(2019年製作の映画)

4.8

「この映画ヤッバ」「キタコレ」とか呟きながら観て、案の定かなり泣いた。
小樽の積雪を全て溶かすくらいの熱い涙出てたと思う。
傑作。

わたし的にはバリー・ジェンキンスの『ムーンライト』超えてきた。
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.9

素晴らしかった。
冒頭から15分ほどは、トットちゃんのお転婆っぷりを子供にありがちな微笑ましい様子とする理想的な世界観に半ば退屈、ともすれば苛立ちながら(私はアニメ作品特有の女児のこれ見よがしな高い声
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.5

これが「名作である」という評判だけは前々から知っていたが、実際に観る機会に恵まれなかったので、サブスクを利用して鑑賞した(気がする)。
でも、こんなもんかーといった程度のもの。

たしか花沢健吾の漫画
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

2.3

映画としては0点だがテレビドラマとして見れば良作なのでは。
俳優の演技自体は悪くないし、ストーリーも死ぬほど分かりやすい。しかもジャニーズの二名含め世間に広く知れ渡った顔ぶれの豪華キャストなので、夥し
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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

3.7

この映画は大学生の頃に一度劇場で観たことがあったが記憶は薄れていたし、最近になって山本直樹の長編漫画『レッド』全13巻を読了したことでちょっとした事情通になったような感慨があり映像でも見たくなったので>>続きを読む

“死刑囚”に会い続ける男(2021年製作の映画)

3.4

いかにもリベラル育ちの良い子ちゃんの「僕の日記」を読み上げてるような作り。大人の知性を感じさせない幼稚な喋り方をするナレーションの声が一役買っているな。子供は子供らしく!という熱い想いのキショい先生に>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

3.9

良い。
周りから「先生」なんて呼ばれる程に素晴らしい小説を書いてきて若い頃は天狗になっていても、自分の感情にしか興味がないロマンチストの彩筆は歳を重ねるごとに衰え、人と本音で対話したことがないから喧嘩
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.6

しかしまぁ境遇が違えば私もこうなっていたかもなぁと、あまり他人事とも思わず観た。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.9

レイトショーだったから終電に間に合わず肝心のラスト30分を観れずに終わった。
でも、ほぼ3時間ずっと面白くて、見る前は設定からして悲壮感強めな説教映画かな~とか思ってから良い意味で裏切られてた。
なに
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.8

まさにザ・大衆怪獣映画!という感じで非常に見易かった。
日本娯楽大作にありがちな絶叫×お涙頂戴×一大スペクタクルが十分な演技力と技術力、賢しげな脚本力をもって完璧に完成されていた。

軍事オタクであっ
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.0

ええ、もはやセリーヌ・シアマ的と言っていいであろう、女×静寂×囁き の美しい演出が今回も堪能できる。
二人の女の子は小さいながら既に完璧に独立した一人の人間という感じがして、表情や声があまりに役者であ
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.7

ただの会話劇なんだけど俳優の演技が良すぎて見応えある。だが寝た。

日本暴行暗黒史 異常者の血(1967年製作の映画)

3.5

プライムビデオで。若松孝二の「水のないプール」が最高だっただけに期待してたけどさすがにシリーズものという緩さ?もありつまらない。

水のないプール(1982年製作の映画)

3.8

演出が良いよな。オシャレなピンク映画って感じや。最低でキモいおっさんの犯罪物語のはずなのに、内田裕也の危険で静かなる魅力と、演出の妙が効いていて映画としてはめっちゃ良いんだよな。レイプとはいえちゃんと>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.6

とても微妙。フェミニズム文脈的には語ること多く面白いのだろうけど映画としては「・・・」という感じ。徹底的にお茶目な演出に貫かれた2時間が観ていて苦痛だったしマーゴット・ロビーもライアン・ゴズリングのキ>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

「な、なんて大きいインコなんだ…」
こっからがもうトリ映画の本領発揮してて良かった。過去のジブリ映画でもここまでインコちゃんがトリ沙汰されることは無かったので嬉ピヨ。
物語もなかなかトリッキーで、、現
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はりぼて(2020年製作の映画)

3.9

記者に追い詰められたときの議員たちのすっとぼけ方がマヌケすぎて、張り合いなさすぎて、なんてゆうんだろう、お爺さんの吹けば飛ぶような弱い頭髪がところどころ生えてるが如き毛無山の腐った根っこを芋蔓式に引き>>続きを読む

主戦場(2018年製作の映画)

3.9

面白い。
このドキュメンタリーを観たからといって、慰安婦に関するあらゆる報道や証言の何が真実で何が虚偽で何が誤解なのか究極的には誰にも判らないが、杉田水脈やオノヨーコの甥?の頭がいかれてるのは確かだし
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水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

3.8

アマプラで「水の中のつぼみ」をなんとなく観てたらウワ〜退屈そうな表情が綺麗な女優さんだなー見たことある気がする…って「燃ゆる女の肖像」のアデル・エネルさんの若かりし頃だったし、しかも撮ってる監督も同じ>>続きを読む

好きにならずにいられない(2015年製作の映画)

3.6

たしかにジャケット詐欺。もっと重く絶望的な映画だったはず。
オタクハゲデブ男の純愛もの。しかも限界ミリオタ。憎めねぇ…憎めねぇけど社会は残酷だよメーン…

プレシャス(2009年製作の映画)

3.8

たしかすごくよかったからまた観たい。
家でフライドチキン作るシークエンスでたしか母親が怒鳴るんだけどそのときのフローが完全にヒップホップで普通に惚れ惚れしちゃったの覚えてる。
あと先生役がレズビアンっ
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希望の灯り(2018年製作の映画)

3.8

たしかすごく良かったのでまた観たい。
マリオン役のサンドラ・フラーさんが出てた同じくドイツ映画の「ありがとう、トニ・エルドマン」との抱き合わせで観たい。

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

3.8

静かなのに引き込まれる。
カルトパーティの儀式のシーンのカメラワークがめちゃくちゃカッコよくて、あのお経のような曲?も不思議な中毒性があって魅力。でもサントラにはこれが収録されてない…。

フルスタリョフ、車を!(1998年製作の映画)

4.0

いちいちカメラワークとか構図がかっこよかったイメージで、白黒というのもあり、ソビエトのスターリン時代らへんの抽象化された記憶をぼんやり思い出しているような感じになって良い(何言ってんだ

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.7

「シン・仮面ライダー」原作を一切知らずとも全く問題ないむしろフラットに楽しめたが中盤以降のどうでもよい人間ドラマは退屈極まりなく凡庸劇場型決戦兵器だった。ハチオーグとルリ子の百合絡みまでは最高だった。>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.8

M:I デッドレコニング…このシリーズは他を観たことなくて例によって単体として観たのだが基本的には007とかワイスピととほぼ一緒、昨今はやたらローマの階段を車で駆け降りたがるね。わたし的には専ら美女鑑>>続きを読む

贅沢な骨(2001年製作の映画)

3.8

行定勳「贅沢な骨」。画面から溢れ出る懐かしさから2002年作品、と確信しながら観たが01年の作品だった。良いなぁ。ギブスをしてヨチヨチ歩くミニグラマーな肢体に見覚えがあると思ったら、この映画のつぐみは>>続きを読む

機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

4.0

最高か!!??これもまた絶対2回観たくなるような小難しい台詞回しがあり、ニクいねぇ〜〜
まずこれは完全にパトレイバーthe movie1とは一線を画する渋く色っぽいオトナ映画。且つ日本アニメ映画史最重
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.2

かぁ。。かぁっこいい。。。。
わたし史上最高に痺れる、(初見で)わけわからん終わり方をしてくれた映画。かっこよすぎる。。(日本版予告編の陳腐な煽り文句「映画史に残る衝撃のラスト」はあながち間違ってない
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