【OUTLINE】
大スターだったエルヴィス・プレスリーと恋愛関係になり、後に結婚もすることになる一般人の少女プリシラ。
プリシラ・プレスリーの自伝をもとに、ふたりのリアルな関係をソフィア・コッポラが描き出す。
【REVIEW】
濃いメイク。陰った照明。彼女の表情は徐々に見えなくなり、本当の彼女が消えていく。
女性をアクセサリー扱いし、思い通りに支配しようとするエルヴィス。過激なことをして、悪口を言い合うのが「ウケる」と思っている彼や取り巻き。「男性らしさの嫌な所」の詰め合わせのような人物像に辟易する。
定期的に、笑顔と笑い声に音楽もプラスして「楽しそう」なシーンが挟まるのだが、そこまでの流れからして観客は笑えない。そのギャップこそが今作の真髄であり、無理に幸せと言い聞かせマヒしていく感覚に嫌気が差した。
当時らしいファッションやメイクに身を包んだ主演ケイリー・スピーニーは、オードリー・ヘップバーンに見える瞬間すらある美貌。ジェイコブ・エロルディ演じるエルヴィスは外見も確実に寄せられているし、「エルヴィスの裏の顔」としてスッと入ってくる。
ソフィア・コッポラはずっとおしゃれな作風とはいえ、最近の作品ではますます撮影の構図や小道具がおしゃれになっているように感じる。静かな部屋や小声での会話からも、音へのこだわりも強く実感した。
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観た回数:2回
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【星つけた際の"個人的"評価・好み】
※作品のウリじゃなさそうな部分、判断しにくい部分は「-」
総合点79pt/100pt 星換算★★★☆3.9
95=スタンディングオベーション/90=大拍手/80=最高!/70=すごい!/60=良い/50=不足なし/40=あと一歩欲しい/30=うーん/20=さすがにちょっと/10=Z級
《配点》
★好み(主観によるただの好み・印象の強さ)
75pt/100pt
★監督(コンセプト・元ネタ選定・主題・固有演出)
78pt/100pt
★脚本(設定・起承転結・言葉・脚本でのテンポ)
74pt/100pt
★撮影(構図・カメラワーク・撮影での映像美)
85pt/100pt
★演技(演技力・役作り・演技のインパクト)
78pt/100pt
★編集(カット・編集でのテンポ・音ハメ)
75pt/100pt
★音響(録音・音響)
79pt/100pt
★音楽(サントラ・歌曲)
74pt/100pt
★美術(キャラデザ・衣装&メイク・セット)
83pt/100pt
★配役(キャスティング)
88pt/100pt
★VFX(VFXのクオリティ・VFXでの映像美)
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