冒頭でこの映画の事件が「未解決事件」であることは明かされており、結末で驚かせる映画でないことはわかった上で観客は物語を追うことができる。
これによって変に“ミステリー映画らしい”展開を期待しなくてよくなるため、不要なガッカリ感がなく、逆に「未解決事件をわざわざ取り上げて何を描くのか」に集中できるというのは観客としても嬉しい。
多くの事件が起こる中で、警察はいつまで諦めずに事件を追えるのか。犯人かわからない人物を相手に、警察はどこまで強い態度で取り調べに臨むべきなのか。そして、この事件を通じて浮き彫りになる、現代社会における男性・女性の立ち位置とは。事件の捜査を追うなかで、やるせない社会への問いや疑問を効果的に挟んでいく構成が巧みだった。
車での移動や主人公の自転車趣味を利用して、自然豊かなフランスの風景を映してくれること、過度でない程度に主人公の頭の中を描くような演出が入ったりすることにより、事件モノ特有の“映像の退屈さ”も緩和され、印象的な音楽と合わせて映像作品として確実に楽しめる仕上がり。
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観た回数:1回
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【星つけた際の"個人的"評価・好み】
※作品のウリじゃなさそうな部分は「-」
総合点83pt/100pt 星換算★★★★4.2
95=スタンディングオベーション/90=大拍手/80=最高!/70=すごい!/60=良い/50=不足なし/40=あと一歩欲しい/30=うーん/20=さすがにちょっと/10=Z級
《配点》
★好み(主観によるただの好み・印象の強さ)
85pt/100pt
★監督(コンセプト・元ネタ選定・主題・固有演出)
87pt/100pt
★脚本(設定・起承転結・言葉・脚本でのテンポ)
86pt/100pt
★撮影(構図・カメラワーク・撮影での映像美)
88pt/100pt
★演技(演技力・役作り・演技のインパクト)
85pt/100pt
★編集(カット・編集でのテンポ・音ハメ)
86pt/100pt
★音響(録音・音響)
80pt/100pt
★音楽(サントラ・歌曲)
83pt/100pt
★美術(キャラデザ・衣装&メイク・セット)
78pt/100pt
★配役(キャスティング)
80pt/100pt
★VFX(VFXのクオリティ・VFXでの映像美)
75pt/100pt