伏見の剛力

ネクスト・ゴール・ウィンズの伏見の剛力のレビュー・感想・評価

3.4
ハァ~今週はマダムウェブだけか〜つまらん週だな〜ストライキのせいなのかアーガイルまで我慢か〜なんて呑気に過ごしてたらタイカワイティティにガイリッチーの新作、アカデミー賞ノミネートの落下の解剖学上映じゃあないですかえっもう公開なの?速くない?と何を勘違いしてたのかてんやわんやですよ。

前もあったんですよベンアフとデイモンのAIR公開知らなくて焦ったことが、いや〜皆様のレビューで今回も気づきましたよ危ない危ない、もう落下の解剖学は捨てるとしてまずは100分くらいのサクセスストーリーっぽいワイティティを選びました。

2001年のW杯予選で0―31という史上最低記録の惨敗を喫した米領サモアが募集をかけファスベンダー演じるロンゲンが監督に就任し1ゴールでもいいからチームを強化してくれというサッカー会理事長のおっさん含めたチームとパッションが足りない勝ちに行け負け犬がと志に相反する両者の絆物語でまあ嫌な予感はしてましたよだっておふざけ大好きワイティティですよ。

その予感は即的中したというか冒頭後ろ姿でわかってしまったんですよこいつぁワイティティだな~と垂れた付け髭をしたワイティティ本人がみんなこっちおいでこっちこっち~これはこんなサッカーチームの物語でそんな悲しい話じゃないから楽しんでおいでよ的な感じで我々に語りかけてくるんですよ引っ込めテメーと、裏方に徹しとけテメーはよと、最初からワイティティ全開だとサクセスストーリーの苦悩が薄れるんじゃないですか?大丈夫ですか?と不安に駆られる冒頭から始まりますがファスベンダーが映ることにより画面が引き締まるんですね良い意味でワイティティと合っていない俳優なんですよさあ私も一緒にどん底からスタートしようかと。

しかしワイティティはなんの性なのか終始ふざけ倒したいんですね、会話の節々で心の中でクスリ笑いを起こしたいのは脚本を作る上で高度な技術なのですがメリハリ無くすまでロンゲン以外のチーム全員がボケまくる様に葛藤や苦悩なくしてサクセスストーリー描いたら感情移入の余地もはばかられるというかドキュメンタリーではないにしろ作り物感が強すぎて元ネタが霞んでしまいますよ。

ワイティティはサッカーよりも人を面白おかしく描きたいんでしょうねジョジョラビットはその辺がいい塩梅だったのに対して本作のコメディバランスは相当ワイティティの悪いところがでてるというかどうも作品のテンションが一辺倒になりがちというか。

牧師役?としてまたワイティティが出てきたりと引っ込め引っ込めワイティティよ急に気持ち離れてしまいますから出たがりなのはわかりますが抑えろ今回はと頭を抱えるハメになります。

後試合がいい運びになってる時に突然ゴールキーパーとかが未来の老けた白髪交じりの姿で子ども達に読み聞かせしてるカットが挟み込まれるんですよ武勇伝を語ってるやつが。
ハッ?時超えすぎじゃね?今の話をしてくれよワイティティよ邪魔邪魔と盛り上がりを乱す演出も斬新ではありましたがもうちょっとライブ感を大切にしてほしかったですね~。

サッカーの練習シーンもコメディタッチでパパッと演出するので努力の成果が伝わりづらいのは歯がゆいですしそのうえで逆境に立たされた時にサッカーって楽しい、自由にやれとなるんですよ。

テニスの王子様 の 越前リョーマのテニスってこんなに苦しかったっけ、テニスって楽しいじゃんみたいな覚醒の仕方するんですよ、いやいやある程度の実力者だったらまだしも弱小チームが監督の指示なしに楽しもうで覚醒出来るんだったらこれ選手が能無しではなく監督がクソ能無しってことですからね。

映画だけ見ればファスベンダーは半分的外れな指導してたってことですからこここここれ今までの練習シーン何だったの?日曜日は休みたいと言ったり定刻になると無言でお祈りする弱小チームが楽しいじゃんで覚醒するんですよ?こんな力を持て余したダイヤの原石達を見たことがありませんよファスベンダーからもっとサモアの文化に寄り添った優秀な監督に変えるべきですよ恐ろしいですよ伸びしろが。

ファスベンダーは短期な性格ですがあくまでも試合中に物を投げたりでとどまりもっと日常での短期な性格を見たかったですね普通にサッカーに対して熱いだけの印象で物足りなかっです辞める辞める詐欺は可愛かったですね。

ハカみたいなシバタウであんなに揃わないのを見たのは初めてな気がします。
伏見の剛力

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