伏見の剛力

アイアンクローの伏見の剛力のレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
4.0
ザックエフロンがプロレスしてるこれだけで俄然興味が湧き劇場に走りましたがA24のマークが大々的に映し出されこれはハズレをひいたんじゃなかろうか、A24とは絶賛啀み合い中の私は冒頭から戦意喪失しかけました。

パールとかエブリシングエブリウェアオールアットワンスとか楽しく観れたものもありますが最近はポーがねぇ…映画館という名の拷問室部屋したからねぇ…A24のあの独特の間とかに耐えられるのか、プロレス映画だからそこは流石に大丈夫でしょでもねぇと苦虫を噛み潰したような顔になりましたよ。

それがどんどん私の表情も朗らかになるくらいには当時のノリの良い音楽も程よくかかりエネルギッシュなプロレスシーンにA24独特の間も極力排した体感時間の早い作風になっていて一安心しました。

しかしこの映画 実話を元にしているにもかかわらずこれフィクションなんじゃね?と思うくらいに不幸の連鎖のタイミングが良すぎてポーはおそれているが可愛く思えてくるほどでしたね。

ザックエフロン演じるケビンの家系には呪いがあるのか長男が5歳で亡くなっているのでケビンが生まれる前か直後にもう呪い発動してしまっていてご両親が毒親で父親は俺が神だと言わんばかりの家父長制でよくある自分のプロレスラーとしての夢を子供に継がせるやつで母親は多分キリスト教の信仰心が強いいわゆる子どもの気持ちに寄り添わない2人なのです。

ケビンが母親にマイクのことで…と言うと兄弟のことは兄弟で解決しなさい神が見守ってくださる。

ケビンが父親にケリーが…と言うと兄弟で解決しなさい俺の教えは絶対だ。

というふうに幼少期から子ども達を洗脳して親としての当たり前のコミュニケーションは放任主義なので親に対して愛情はあるのだけれども どこか 家族の絆が欠けたイエスマンキッズ達ですが大人になればそうはいかない。

実話だからまさかこんなベッタベタなフラグの立て方はないでしょう現実はそんな残酷じゃないよでもこのバイクのシーンは…あの人の言葉を探しながらの間が開いた会話は…あの電話は…など実話なんて嘘だろってくらい平気で容赦無いことが起きるのでこちらも鬱ですよこの世界は残酷だミカサの言う通りでした。

ケビンが彼女になる前のパムにあなた優しいのね家族思いで、長男症候群でしょみたいなこと言われて長男は5歳で死んじゃったから僕は次男症候群だよハハッつってたんですがそんなケビンが呪いとどう対峙するかいや〜ほんとポーより辛いですよこんなの。

キャストが素晴らしく父親がファイトクラブのスペースモンキーですね。

ケリーがファミリーレストランの主人公でデビッドが逆転のトライアングルやザリガニのあのイケメンでした。

リリージェームズがケビンの彼女のパムでディズニー プラスの ドラマ パム&トミーのパムもしてたんで5分くらい脳がバグリました。

ザックエフロンがムキムキなことは知っていたのですが筋肉量をヘビー級に合わせて増やしてきたことが並ならぬ努力の賜物ですし腕の浮き出た血管が良かったですね~。

アマプラのリッキースタニッキーよりも本作の制作が後なのか前なのか、前だったら筋肉しぼんだってことになりますから勿体無いですがジョンシナを際立たせないといけませんからねいや〜あの筋肉量は相当ですよ。

筋肉がCGじゃなければ間違いなく演技も含めてアカデミー賞主演男優賞ノミネートしそうなんですがアメリカの公開が去年なんですねということはノミネートすらしなかったということでよろしいですか?今年ですか?もしかして、去年だったらキリアンマーフィーよりもエフロンでしょう、今年だったらジョーカーなんて目じゃないですよエフロンが固いっすよ圧倒されましたもんあの長回しのスタント使ってないプロレスシーンとか、後ザックエフロンが鍛えすぎてるせいで相手役がブヨブヨに見えて楽勝やんこの試合と錯覚するほどでしたからね。

こんだけエフロンの筋肉がアカデミー賞級なのにプロレス映画として単純にストレス発散出来ない鬱映画なのが意外でパンチ喰らいましたね私は。

なんか昔ドウェインジョンソンがりんごを握りつぶせるみたいな情報を見たんですがそんな握力で頭を掴まれこめかみをアイアンクローされたらそりゃプロレスラーでも頭から血流しますわ、父親にアイアンクローしてほしかったですね。
伏見の剛力

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