Ayu

落下の解剖学のAyuのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0
最近寒暖差と花粉でどうも日々頭が重く、在宅勤務の生活圏から映画館のある街へ出掛けられなくて、本日やっと這い出して本作をチョイス。重厚な人間ドラマをたっぷり味わう最高の映画体験がまたひとつ増えたし、もっと映画館に行くモチベーションが上がった。

主要登場人物(と犬)全員の演技が上手すぎて終盤の録音の再現シーンくらいから最後の証言のシーンまで心の中で終始唸ってしまった。ドイツ人であるザンドラ・ヒュラーが母国語ではない言語を2つも(英語とフランス語!フランス語を聞きながら英語で返答する裁判のシーン、私も日本語の字幕を読みながら言語のスイッチがバチバチ入れ替わって良い刺激だった)使ってあそこまで観客の心を揺さぶる演技が出来るのは本当にすごい。人は話す言語によって性格が少し変わる(私たち三姉妹も結構変わる、個人的には英語の方が意見や感情が主張しやすいと思っている)のを加味して観ると、裁判の肝となる口論が夫婦2人の母国語でなされていないことにも意味があるなと感じた。

あと英語圏で話題のHot French Lawyerが本当にHotでした。Hotな人がスモーカーなのは常に最高です。名犬役のスヌープ(ドッグにスヌープって名前付けちゃうセンス好き)のことメッシも登場シーンが少ないながらも迫真の演技(人形じゃないの本当にびっくりした)、さすがパルムドッグ🐶

とにかく脚本と演出がすごく良くて、役者陣の演技も重なって凄みのある作品に仕上がっていた、アカデミー賞での取り上げられ方も楽しみです。
Ayu

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