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枯れ葉のTakaCineのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
4.2
【アキ健在🐕‍🦺🪗🍂】
やっぱりアキ・カウリスマキはいい!

独特で癖が強い世界観から目を離すことができず、そのユーモア溢れる演出にニヤニヤ、ヒューマニズムな目線にホッコリしました☺️

そのまま引退せずに戻ってきてくれてありがとう😂‼️

《カウリスマキの世界》
ラジオでウクライナ侵攻を報じているから現代の話と思いましたが、仕事場の道具、部屋の家電製品、(スマホでなく)携帯電話など、至る所から一昔前のレトロ感が漂っていて…

舞台のヘルシンキは「あんなに古臭いの?そして貧しいの?」って疑ってしまいますが、実に時代不詳で不思議な映画でした(パラレルワールド?)。

そんなレトロなモノが画面に溢れて、お洒落な原色がアクセントになっていて、これまた、数々の懐メロがラジオから流れたりします🎵

部屋で物思いに耽る女、酒で憂さを晴らす男。

計算されたフィックス撮影、敢えて抑揚のない表情や台詞(いつも不機嫌か不幸せそう)で独特のペースを作り、画面に赤色を入れるところは、まるで小津安二郎の映画みたい😍

これぞ唯一無二のカウリスマキの世界。

理不尽で過酷な人生の中で出逢い、惹かれ合い、細やかな幸せを探す孤独な男と女と犬。

厳しい世界を描きながら、愛が希望ある未来を紡いでいく、そんなメッセージが心に響きました😌

根底に、チャップリン映画のような愛を感じました🤝

(Yahoo!ニュースからの抜粋)
今回、カウリスマキ監督が復帰した理由については、「無意味でバカげた犯罪である戦争に嫌気がさして、愛や連帯、希望などをテーマにした物語を描くことにした」。

《備考欄》
とにかく、カウリスマキ映画と言えば「ワンコ」🐕‍🦺
本作のワンコも可愛い‼️そして人の顔を伺う名演技!最後も名前(その名前を名付けるとはっ!)を呼ばれて「ワン!」には笑ってしまいました😁

(僕から見たら)レネー・ゼルウィガー似の女と、ジェームズ・ステュアート似の男が一目惚れしてデートを重ねて…が、昭和のすれ違いですか?な展開に苦笑い😅

初デートの映画を何にするかを託された男が選んだ作品が、なんと盟友ジム・ジャームッシュ監督の…
って、それか~い!!
(デートでは不向きちゃう?)

名画座のような映画館。
そこの壁に掲げられた数々の映画ポスター。物語そっちのけで、ポスターを目で追ってました(笑)

『逢びき』
『気狂いピエロ』
『若者のすべて』
『仁義』
『軽蔑』
『ラルジャン』
など

その他に会話の中で、『田舎司祭の日記』や『はなればなれに』が出てくるから映画好きには堪りません😂

劇中に流れる「悲愴(チャイコフスキー)」や「SYNTYNYT SURUUN, PUETTU PETTYMYKSIN "悲しみに生まれ、失望を身にまとう" (歌手:マウステテュット)」など音楽がやっぱりいい!

エンディングのフィンランド版「枯葉(歌手:オラヴィ・ヴィルタ)」がいい!

大島依提亜さんデザインのパンフレットが、厚紙の質感が面白くて好きです😍
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