もるがな

グランツーリスモのもるがなのネタバレレビュー・内容・結末

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

グランツーリスモの実写版でありながら実話を元にしたドキュメンタリーのような作品でもある。それでいながら機械フェチのニール・ブロムカンプらしいエンジンの駆動音は中々のもので、ゲーム体験がロボットのようにレーシングカーが組み上がることでシームレスにリアルのレースに近づく演出がとても良かった。

話としてはド直球かつ超王道のスポ根であり、人の悪意に定評のある監督にしてはそうした部分は控えめである。それでいながら作中の人身事故に関しては被害者はおろか関わりすらもバッサリと断ち切った点は割り切りと冷たさを感じたのも事実で、話に必要な部分以外は変に足踏みせず、ひたすら機械的にただ走り切った印象も。

トッププレイヤーでもそう簡単にレースでは勝てないという塩梅もまた素晴らしく、風による煽りを受けての事故はゲームには再現しきれない事象としてのリアリティがあった。それでいてグランツーリスモ自体がリアルに肉薄し、リアルに追いつこうとするゲームであるからこそ、ゲームという非日常と過酷なレースという容赦なき現実がダイレクトに接続することに高揚感があるのだろう。
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